高等学校
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高等学校(こうとうがっこう)は、後期中等教育を行う学校である。中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育及び専門教育を施すことを目的とする(学校教育法第41条)。誤解されることもあるが、高等教育を行う学校ではない。高校(こうこう)と略されることが多い。英語の表記は、 High School や Senior High School とされることが多いが、文部科学省の公式な表記では、 Upper Secondary School (上級中等学校の意味)となっている。
1998年(平成10年)の学校教育法(昭和22年法律第26号)の改正により、中高一貫教育(中等普通教育〔中学校における教育〕と高等学校における教育〔高等普通教育及び専門教育〕を一貫して施すこと)を行う6年制の学校である「中等教育学校」が新たに創設された。中高一貫教育を行う中学校・高等学校の一部は、中等教育学校の前期課程・後期課程への改組がされ始めており、国立学校、公立学校、私立学校の全部で、中等教育学校が増えつつある。
修業年限(卒業までに教育を受ける期間)が3年または3年以上の高等学校の一般的な課程を本科といい、この項目では、主に本科について扱う。これ以外にも別科と専攻科があるが、専攻科については、専攻科の項目で詳述している。
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高等学校教育の目標
学校教育法の第42条に高等学校における教育の目標が規定されている。
- 中学校における教育の成果をさらに発展拡充させて、国家及び社会の有為な形成者として必要な資質を養うこと。
- 社会において果さなければならない使命の自覚に基き、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること。
- 社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、個性の確立に努めること。
高等学校の教育課程
学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)に基づき、高等学校の教育課程は、各教科に属する科目、特別活動、総合的な学習の時間によって編成されている。教科には、普通教育に関する各教科と専門教育に関する各教科があるが、専門教育に関する各教科は、学校によって開設されないこともある。
- 普通教育に関する各教科
入学、進級、卒業、単位
一般的には4月に入学するが、それ以外の時期の場合もある。入学資格は高校受験#入学資格を参照。
一般的な「学年制による教育」では進級して卒業するという方式を取り、卒業には規定の単位の取得が必要となる。学年による教育課程の区分を設けない「単位制による教育」では、学年という概念がまったく存在しないように思われることもあるが、「学年制による教育」と同じような運用をしているところも多い。ただし、学年制による教育よりも選択可能な科目がはるかに多い傾向にある。
単位は、各科目ごとに試験の点数や実技、レポート、作品、参加度、その他の評価項目によって、一定の基準を満たした場合に認められる。特に試験で規定の点数に達しない点数は赤点、または欠点という。修業年限(在学しなければならない期間)は、全日制の課程は3年であり、定時制の課程と通信制の課程は3年以上である。
教育課程による分類
授業を行う時間帯、季節、方法などの違いにより、「全日制の課程」、「定時制の課程」、「通信制の課程」の3種類の課程がある。
全日制の課程
全日制の課程(全日制課程)とは、通常の課程とされているものである。1日に5時間から8時間程度の授業をする。学校教育法により、修業年限は3年と定められている。学年制が多いが、近年単位制に変更された学校も多く、2003年度は全4626校のうち単位制が301校ある。在学中は、大学入学資格検定(大検)を受検できない(2005年度より制度変更の予定)。卒業率は92%前後。平成14年度の公・私立高等学校の中退者数は89,461人。中退理由は「学校生活・学業不適応」が38.6%で最も多く、ついで「進路変更」34.9%、「学業不振」6.2%の順となっている。中退者全体のうち、1年生が53.0%を占め、2年生30.5%、3年生は8.8%。一般的な傾向としては、校則が厳しい、制服がある、現役入学者が多く、過年度生が少ないなどの特徴がある。
定時制の課程
定時制の課程(定時制課程)とは、夜間その他特別の時間帯又は季節において授業を行う課程のことである。1日に4時間程度の授業を行なう。学校教育法により、修業年限は各学校が定める3年以上の期間とされているが、以前は修業年限が4年に統一されていたため、2003年度は4年制の課程が756校と比較的多く見られるが、3年制(三修制ともいう)の課程も135校ある。3年制の場合、1日の授業時数を5校時程度にまで増やしたり、通信制の課程を併習する場合も少なくない。多くが学年制による教育であるが、2003年度は3年制のうち52校、4年制のうち150校が単位制である。 また、卒業率は半数前後であり、全日制の課程に比べてかなり低い。
おもに昼間仕事に就き、終業後に夜間に学校に来て学習する生徒のために作られた課程である。そのため、基本的には夜間に授業をするもの(夜間部)が多いが、交代勤務の工場労働者等を対象に、昼間に授業を行うもの(昼間部)も存在した。近年になって、全日制の課程に通いきれない、いわゆる不登校に近い生徒などが増えてきて、それらの生徒への対応の一環として定時制の課程が利用されてきているという現象もある。そのため、より多様な教育の機会を提供するために、三部制(後述)や昼夜間定時制などの新しい形態のものも設立されるようになってきている。朝(8:00から12:00ごろ)や昼(12:00から16:00ごろ)に授業をする昼夜間定時制の学校が増え始めている。また朝、昼、夜に授業を行う学校は三部制と呼ばれる。また東京都立新宿山吹高等学校定時制課程では、1部(8:45~12:30)、2部(10:45~15:00)、3部(13:15~17:00)、4部(17:25~21:20)の四部制の授業を行なっている。これらの制度は、朝から夕方前までの授業になじめない生徒に対して対応するように考えられたものである。
定時制の課程については、中学校卒業時に就職する人が大幅に減少したため、夜間に授業を行なう定時制の課程に関しては大幅に生徒数が減少している。そのため、学校の統廃合が進んでいる。しかし、学校の統廃合は、学習者にとっての近隣校が減少してしまうという側面もあり、終業後に学校に通うことが困難になるなどの問題も生じる。なお、かつては季節定時制と呼ばれる農閑期に通学する形の農業関係の学科(農業科など)を設置する課程も多かった。
通信制の課程
通信制の課程(通信制課程)とは、通信による教育を行う課程のことである。学校教育法により、修業年限は3年以上と定められており、2003年度は3年制は110課程、4年制は54課程である。
基本的に自主学習により、一般的にレポートと呼ばれる課題の添削(添削指導)を受けることで学習を進めていくが、同時に一般的にスクーリングと呼ばれる面接指導が、一般的には月に数回程度(全日制の課程の約8単位時間分の授業に相当するといわれる)行われ、添削指導、面接指導、試験などを通じて単位が得られる。面接指導は、多くの学校が日曜日と月曜日に1つの科目に対して同じ内容で行われ、生徒はどちらかの日に出席すればよい形になっているところが多いが、複数の都道府県の生徒が在学する広域通信制をとる学校などでは、夏季などにまとめて合宿形式などで面接指導を行う学校もある。また、面接指導の一部時間を学校以外の公認の学習会によってまかなうこともできる制度を持っている学校もある。さらに、各教科・各科目または特別活動について、計画的かつ継続的に行われるラジオ放送、テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を取り入れ、生徒がこれらの方法により学習し、その成果が満足できると認められるときにその生徒について、その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち、各メディアごとにそれぞれ10分の6以内の時間数を免除する制度を持つ学校もある。ラジオ放送、テレビ放送については、NHK高校講座の利用が多い。また、インターネットを利用した通信制の課程もある。
入学に際して、学力検査による入学者選抜が行われることは少ない。ほかの高等学校や中等教育学校の中途退学者の場合などには、編入学試験を実施しているところもあるが、学ぶ意思があれば不合格にしない場合がほとんどで、中学校を卒業していれば、原則として入学に際して学力などを求められることはない。
単位制による課程も多く、2003年度は、修業年限を3年とする学校のうち83校、修業年限を4年とする学校のうち28校が単位制による教育を行っている。単位制による教育の場合は、ほとんど学年という概念は薄く、原級留置(留年)という概念は無く、最短3年で卒業する人から(修業年限が3年の場合)、在籍期間を最大限利用し、学校によっては20年以上の長い時間をかけて卒業する人もいるなど、自分なりの進度で学習することも可能である。また高等学校や中等教育学校の中途退学者の場合、以前の高等学校や中等教育学校の単位が認められる制度をもっている学校が多い。
自分なりの進度で学習できるということから、創立された当初の「職業人のための高等学校の課程」という機能とともに、不登校の人や、全日制の課程になじめなかった人たちが占める割合も増加してきている。したがって、生徒の年齢も幅が広く、15歳の中学校を卒業したばかりの人から80歳代を越える高齢の人が見られる。また、生徒の多様化によって1990年代からは、私立学校において広域通信制(複数の都道府県を学区とする通信制の課程)が増えている。個性的な課程も出てきており、スポーツ教育などを行っている通信制の課程などもある。
自学自習を基本とする学習のため、どうしても時間がとれず管理が難しい、学習が進まない、時間が決まっているわけではないのでほかに優先順位があるとどうしても後回しにしてしまう、さらには常に教員に質問などができないので難しいという声もある。学習面などを支援するために、通信制の課程の多くは、学校で独自の教材を作成して配布したり、副教材で「学習書」と呼ばれる、放送出版協会が発行する副教材を利用しているところが多い。特に学習書は広く使われているものであるが、国語科目ではその学習書の中に教科書の内容をそのまま含んでいるなどという場合もあり、教科書に比べて高価であるが、教科書と同義のものとしてあつかわれ、一部で一定条件を満たせば補助が出るところもある。
通信制の課程に在学する生徒を対象として学習支援を行なう教育施設として、サポート校があり、通信制の課程をおく高等学校と正式に提携を行っている教育施設もある。
学年による教育課程の区分の有無による分類
高等学校には、「学年制による教育」と「単位制による教育」との2種類がある。以前の高等学校には、学年制による教育しか存在しなかったが、1988年度(昭和63年度)に、単位制による教育が、定時制の課程と通信制の課程で認められ、さらに1994年度(平成5年度)には全日制の課程にも認められた。
学年制による教育
必ず各学年ごとに課程修了の認定がなされてから次学年の課程に進む方式である。年度末に各学校が個々の生徒に対して進級を認定し、認定されないと原級留置(留年)になる。最終学年の課程を修了し、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業することができる。
単位制による教育
学年による教育課程の区分を設けない方式である。したがって、原級留置(留年)という概念はない。一定期間(転学・編入学でない場合、全日制課程では3年、定時制課程・通信制課程では3年以上)を在学し、必要な単位の取得などをして、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業することができる。#外部リンクの「情報教育雑貨屋さん」を参照。
学科による分類
日本の高等学校には、学科がおかれる。高等学校設置基準の第5条により、学科の種類は、次の通り定めている。
これに基づいて、普通科、総合学科、専門学科がおかれている。
普通科
普通科とは、普通教育を主とする学科のことである。普通科は、一般的学習である普通教育を主とする学科である。国語、地理歴史、公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報などの普通教育に関する教科・科目を中心として学習する。どの分野にも依存しない普遍的教育を理念とするが、大学進学前の準備教育として行われるという側面もある。
総合学科
総合学科とは、一般的学習である普通教育と専門的学習である専門教育を総合的に施す学科のことである。各教科・科目は、選択履修とされ、原則として単位制である。普通教科に関する科目と専門教科に関する科目(商業系・工業系など)の両方を選択できる。多くは2年次への進級時に進学コースか就職コースかを決定するが、カリキュラムは比較的緩やかである。
専門学科
専門学科とは、専門教育を主とする学科である。専門学科は、職業教育を主とする学科(職業学科)と、そうでない普通教育をより高度に拡充させた専門教育を行う学科(普通系専門学科)に分類される。職業学科として、農業、工業、商業、水産、家庭、情報、福祉などに関する各学科が、普通系専門学科として、理数、体育、音楽、美術、外国語、国際関係などに関する各学科が設置されている。
新しい取り組み
新しいタイプの高校
- チャレンジスクール
- エンカレッジスクール
- デイスクール
トワイライトスクール
トライネットスクール
- いずれも計画中の高校。外部リンク
- スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
- 理数系教育の重点校。既存の高校に資金を出して重点的な教育を行なう。文科省
- スーパーイングリッシュランゲージハイスクール(SELHi)
- 英語教育の重点校。
新しい動きなど
高等教育が行われる高等学校
- 旧制高等学校とは、日本において第2次世界大戦以前の制度(旧制)に基づいて存在していた「高等学校」のことである。旧制高等学校については、入学対象者の年齢が高く、学制改革で大学に統合されていることなどから、高等教育を行う学校であったといわれる。(なお、現在の高等学校が行っているのは中等教育である。)制度としては、まず第1次高等学校令(明治27年勅令第75号)が定められ、後に第2次高等学校令(大正7年勅令第389号)に変わられた。第2次高等学校令では、高等教育のほかにも中等教育などを行うことも可能であったが、多くの高等学校では高等教育のみが行われた。
都道府県別
関連項目
Modèle:Wikipedia:ウィキポータル 教育/学校
外部リンク
| 前段階の学校 | 現学校 | 次段階の学校 |
| 高等学校 3年制 15歳以上から3年間 | ||
| 同段階の学校 | ||
|
注1: 高等専門学校の専攻科は、含まない。 | ||
