閉塞方式

Keywords: 閉塞方式, 10月16日, 2004年, ダイヤグラム, 仲ノ町駅, 併用軌道, 八戸線, 列車, 列車集中制御装置

閉塞方式へいそくほうしき、block system)とは、鉄道において列車の正面衝突や追突を防止するための方式である。

鉄道車両は自動車と異なり制動距離が長いため、前方に別の車両を発見してからブレーキ操作をしても安全に停止できない。そのため、路線を一定区間(閉塞区間)に区切り、1つの閉塞区間には同時に2つ以上の列車が入らない(入れない)ようにして事故を防ぐ。これを閉塞と言い、この方式を閉塞方式と言う。閉塞方式は鉄道の列車運転の基本である。

なお、「塞」が当用漢字に入っていない字であるため、法令上は閉そくとなっている。

閉塞方式が行われる以前は、列車の出発前に駅同士で連絡をした後、時刻表に従って列車を運行させていた。しかし、ダイヤの乱れや確認の錯誤による衝突・追突事故や、走行中に連結が外れて取り残された車両に他の列車が衝突するという事故が発生したため、それを防ぐための方法として閉塞方式が考案された。

目次

閉塞のための装置

タブレット・通票・スタフ

非自動閉塞方式で用いられる、通行票の役割をするもの。1閉塞区間に1つ(1種)を定めてこれを持たない列車を閉塞区間内に入れないなどとすることで閉塞を実現する。

国鉄時代は単に「通票」と呼んでいたが、現在は以下の呼び方をしている。

※本稿ではこれら3つを総称して「通票」と呼んでいる部分もあるので注意されたい。

タブレット

タブレットは円盤状をした金属で、中央に空けられた穴の形状で区間を区別する。穴の形状は一種丸、二種四角、三種三角、四種楕円の四種類が基本であるが、私鉄ではカマボコ形や六角形など、変わった形のものも見られた。また、大同信号株式会社が開発した大同D型閉塞器ではわん形と呼ばれる円筒形のタブレットが用いられた。材質は砲金製が殆どであるが、一部ではジュラルミン製も見られた。なお、大同D型閉塞器に用いられるタブレットの材質はアルミニウムである。

通票

通票の穴の形状、及び欠きの形状はタブレットと同様で、一種が丸、二種が四角、三種が三角、四種が楕円であるが、三種三角のみ倒立しているように見える。これはタブレット閉塞式のタブレットは欠きのある側が手前にくるように、また票券閉塞式の通票は欠きのある側が奥になるようにスライダー(タブレットを閉塞器本体や通券函に収納するための枠)の突起が設けられているためである。また、通票はタブレットと厚みが異なって薄く、表面に通券函解錠用の突起がある。(例外として、中央の穴をスライダーの中央の突起に合わせるタイプの通票など、欠きや突起のないものある。)材質はタブレットが砲金製やジュラルミン製であるのに対して通票ではスチール製やステンレス製が一般的である。なお、古くは棒状のスタフタイプの通票が用いられた。現在これを旅客線上で目にすることが出来るのは、津軽鉄道金木駅津軽中里駅間)と名鉄築港線大江駅東名古屋港駅間(スタフ閉塞式のスタフとして使用)のみである。このタイプの通票では、棒の一端に種別を表す丸や三角の形状をした鉄板等が付けられ、反対側に通券箱の錠が付けられている。

スタフ

スタフは、最初は棒状の金具(これが「スタフ(staff)」の意味)が用いられたが、現在ではタブレットで代用されることが多い。現在旅客線上で棒状のスタフを目にすることが出来るのは、上述の通り名鉄築港線・津軽鉄道線の2路線のみである。

軌道回路

自動閉塞方式ならびに非自動閉塞方式連査閉塞式連動閉塞式では、線路に電流を流して車両が線路上にあることを検知する(線路上に車両があればそこが短絡されて電流が流れる)。これを、車両が線路と電気回路を構成することから「軌道回路」と呼ぶ。

軌道回路の設置 \ 自動・非自動自動閉塞方式非自動閉塞方式
駅間に連続した軌道回路を持つ自動閉塞式車内信号閉塞式連動閉塞式
停車場内のみに軌道回路を持つ特殊自動閉塞式連査閉塞式

常用閉塞

常用閉塞とは、平常時使用する閉塞方式のことであり、代用閉塞に対する語である。

非自動閉塞方式

非自動閉塞方式(non-automatic block system)とは、人手を介する閉塞方式である。 列車数があまり多くない時期にはよく用いられていたが、1980年代以降、列車本数の比較的多い路線は自動閉塞式への変更が勧められ、また非自動閉塞方式のまま残っていた路線は廃止されたり、1990年代まで残った路線のほとんどは特殊自動閉塞式に移行されたために、2005年現在では閑散線区や末端線区でのみ使用されている。

スタフ閉塞式

スタフ閉塞式とは、1つの閉塞区間(通常は駅間)で1つしかない通票(スタフ)を使用し、その通票を持っていない列車は出発しないと定めることにより閉塞を実現する方式である。国鉄時代には通票式と呼ばれていた。

スタフ閉塞式は、使用する設備がスタフだけであり、簡単に運用ができる。しかし、列車を発車させると、スタフが戻ってくるまで次の列車を発車させることができず、ダイヤの編成に制限ができるという問題がある。このため、主に交換駅のない単線行き止まりの路線に用いられている。

かつては代用閉塞の一種とされていたため、ローカル線では特認で常用されていた。1965年に正式に常用閉塞の一つとされた。

併用軌道区間でのスタフ閉塞

単線の併用軌道(いわゆる、普通に道路上を走る路面電車)区間でスタフ閉塞を採用する場合、普通のスタフ閉塞ではスタフのある駅側からしか列車を発車させることができないが、併用軌道区間の場合に限り続行標(後続の列車があることを示す、車両に取り付ける標識)を取り付ければ(スタフのある駅側からなら)列車を発車させてよいことになっている。スタフは同一方向に連続して運行される最後の列車に携帯させる。スタフのみで閉塞ができ駅間の通信も必要ないのは通常のスタフ閉塞と同じであるが、スタフのある駅側からならば同一方向に連続して列車を発車させることができる点では票券閉塞式にも似ている。

このようなことが認められているのは、併用軌道区間では列車の最高速度が40km/hに制限されており、単線区間では正面衝突の危険はあっても追突は目視で十分避けられるからである。(同様の理由で、複線の併用軌道区間では閉塞設備自体不要である。)

票券閉塞式

票券閉塞式は、スタフ閉塞式の、同一方向に連続して列車を発車できないという欠点を解決するために考案された方式である。

通票を持っている駅で、先発の列車に通票の代わりの通券(列車運転許可証)を渡し、後発の列車に通票を持たせる。続行運転(同一方向に連続して列車を発車させること)を行わない場合は通券は必要なく、スタフ閉塞式と同じ扱い方になる。

通券は通券函(通券箱)に納められており、通票が通券函を開くための鍵となっている。閉塞を行う場合は出発駅の運転取扱者(通常は駅長)と到着駅の取扱者とが専用の電話にて打ち合わせる。閉塞が承認されたら両駅でそれぞれの閉塞用電話機に「○○・××間列車閉塞区間にあり」と白地に赤字で記された閉塞票を掲示する。続行列車がない場合は当該区間の通票をキャリアに収納して運転士に渡す。到着駅では運転士から通票を受け取り、キャリアから取り出して確認した後、出発駅と閉塞解除の打ち合わせをする。閉塞が解除されたらばそれぞれの駅では閉塞票を裏返して「○○・××間列車閉塞区間になし」と白地に黒字で記された面を上に向けて掲示する。続行列車のある場合は電話にて打ち合わせの後、通票で通券函を解錠して中から通券を一枚取り出し、閉塞区間の駅名と列車番号、発行年月日と通票の種類(タブレットの穴の形状)を記載して、通票を見せながら運転士に渡す。(旧国鉄及びJR、また多くの私鉄で使われた通券には該当区間の通票の形状が赤色で印刷されている。また、私鉄によっては通票の形状ではなく、通券の地の色によって種別を区別していたところもあった。)運転士は、通票を確認した上で通券を受け取って列車を発車させる。駅に着くと運転士から通券を受け取った運転取扱者は直ちに通券に×印を付けて無効化する。着いた駅では、前の駅に電話をして、列車の到着を知らせる。これは、列車が次の駅に到着する前に後続の列車を発車させると、追突する危険性があるためである。

この閉塞方式では通券を用いることによって続行列車を設定することが出来るので、運転効率は飛躍的に向上する。しかし、常に通票のある停車場からしか列車を進出させることが出来ないので、急な運休や事故等で列車運行の順序を変えて、通票のない側から列車を進出させる必要が生じた場合、通票を陸送しなければならないなどの制約がある。このため近年では急速に姿を消しており、現在でも旅客営業線上で目にすることが出来るのは津軽鉄道金木駅津軽中里駅間、銚子電鉄仲ノ町駅笠上黒生駅間、名松線松阪駅家城駅間くらいである。

タブレット閉塞式連動閉塞式を使用している区間の併合閉塞にも使用される(日本では、2004年10月16日八戸線のものが消滅しこの例はなくなった)。

タブレット閉塞式

thumb|200px|right|タブレット(通票)閉塞機 票券閉塞式に代わって使われ出したのがタブレット閉塞式である。国鉄時代には通票閉塞式と呼ばれていた。

タブレット閉塞式は、1つの駅間に複数の通票(タブレット)を納めたタブレット閉塞機を各駅に設置し、駅同士の打合せによって閉塞機からタブレットを取出して使用する方式である。いづれかの駅で閉塞機からタブレットを取出すと、再びどちらかの駅でタブレットを閉塞機に収めるまではタブレットを取出すことができない。すなわち、1つの駅間でタブレットは同時には1つしか出ておらず、タブレットを持っていない列車は出発できないようにすることで、閉塞が実現する。従って、列車の進出駅を変更するときも、打ち合わせをし直して閉塞器からタブレットを取り出せばよいので、票券閉塞式の一番の問題点を解決することが出来た。なお、列車到着後、直ちに対向列車を進出させる場合はタブレット(通票)の折り返し使用が認められていて、タブレットを閉塞器に戻すことなく対向列車の運転士に渡すことが出来る。この取り扱いを行う場合は両停車場の閉塞器にタブレット(通票)の折り返し使用中と記された標識を掲示する。

連査閉塞式

連査閉塞式は、タブレット閉塞式の考え方を進めて通票(タブレット)を用いないで済むように開発された閉塞方式である。

閉塞区間の両端の駅に連査閉塞器を設置し、駅の入口と出口の信号機付近に短小な軌道回路を設置する。軌道回路を列車が踏むことによって閉塞区間内の列車の有無を検知し、連査閉塞器の表示盤に表示する。

列車を発車させる際は、両駅で閉塞区間内に列車がいないことを確認した上で閉塞てこを反位に操作し、任意の片方の駅の出発信号機に進行(緑)を現示する。出発した列車が軌道回路を踏むと出発信号機が停止(赤)を現示し、通過後も停止を現示したまま保留する。列車が隣の駅に到着し、入口の軌道回路を踏むと、閉塞区間内に列車がいないことが表示盤に表示されるので、両駅で閉塞てこを定位に操作して閉塞を解除する。閉塞てこが反位になっている間は出発信号機は停止を現示したままとなり、出発信号機の信号てこの操作もできないようになっている。よって、出発信号機を守っていれば、通票という物証を用いなくても閉塞が実現されることになる。

通票を扱う機会の多い線区や、豪雪地帯など通票扱いに支障のある線区に多く導入されたが、後に開発された特殊自動閉塞式へ容易に改良できることから急速に姿を消した。現在、JRの旅客線では山田線盛岡駅宮古駅間でのみ使用されている。

連動閉塞式

連動閉塞式連査閉塞式に似ているが、隣の駅まで連続した軌道回路を設置している。これにより、走行中に連結が外れた遺留車両も検知することができる。連動閉塞式に使用する閉塞機は連動閉塞機という。

連続した軌道回路があることから自動閉塞式への改良が容易で、早期に自動閉塞化された。現在、JRの旅客線上では用いられておらず、JRでは奥羽本線の貨物支線(土崎~秋田港間)でのみ使用されている。

双信閉塞式

双信閉塞式は日本で考案された複線用の閉塞システムである。両端の停車場で対となる双信閉塞器を設け、両停車場の運転取扱者が電鈴合図や電話連絡をとり、共同作業で閉塞を行った。双信という名の通り、閉塞器中央には左右に腕を持った腕木式信号機状の表示器があり、その腕の角度で出発・到着停車場を現示させていた。双信閉塞式はタブレットのような物証も連査閉塞式のような信号機との連動もなく、運転取扱者による閉塞器の表示確認のみで列車の運行を行うため保安度が低く、また複線区間は列車の運行頻度が高いので早くから自動閉塞式への変更が進められ、1965年に最後まで残っていた伊田線の自動閉塞化によって消滅した。

自動閉塞方式

自動閉塞方式(automatic block system)とは、通常は人手を介さない閉塞方式である。

特殊自動閉塞式

停車場間の線路には軌道回路を設けず、停車場内の線路にのみ軌道回路を設ける方式。連査閉塞式の自動版ともいえる。

単線専用の閉塞方式であり、通常の自動閉塞式と違って、停車場間で1閉塞区間であり、必要に応じて停車場には遠方信号機が設置される。

軌道回路検知式

停車場内の線路の軌道回路で自動的に信号の現示を行う方法。

電子符号照査式

単に「電子閉塞」とも言われる。停車場内の線路に軌道回路を設け、これに車両側の携帯無線機(「車載機」などといわれる)によって通信される電子符号を加えて閉塞を行うもの。車両側の乗務員も参加することになる。なお、この閉塞方式は列車集中制御装置(CTC)が必要となる。

地方ローカル線区をもっとも手っ取り早くCTC化することができるため、一時多くの線区がこの方式によってCTC化されたが、他のCTCと互換性がないため、最近新設はないようだ。

自動閉塞式

停車場内および停車場間に連続した軌道回路を設け、列車の車輪で回路を短絡させることで閉塞・信号を行う方式。

複線自動閉塞式

複線区間で使われる方式。停車場間に複数の列車を走らせる事ができる。

単線自動閉塞式

単線区間で使われる方式。停車場間をいくつかのブロックに区切って閉塞区間を設けるので、同一方向に対しては、停車場間に複数の列車を走らせる事ができる。

自動閉塞式(特殊)

自動閉塞式(特殊)単線自動閉塞式を閑散線区向けに簡略化した閉塞システム。停車場間に複数の閉塞区間を設定する単線自動閉塞式を採用するほど列車頻度が多くない線区向けに、停車場間を連続した一閉塞区間としてコストを下げた。このため、同一方向の列車であっても、停車場間に複数の列車を走らせる事はできない。また、停車場に遠方信号機を必要とする。より簡易で低コストな特殊自動閉塞式が開発されてからは採用されなくなった。

車内信号閉塞式

車両中に信号を表示する方法。よく自動列車制御装置(ATC)との組み合わせで使用される。主に、高速運転のため通常の地上の信号だと視認が難しい新幹線や、遠くの見通しが利かないために通常の信号のように信号を設置できない地下鉄で利用される。

併合閉塞

非自動閉塞方式を採用する区間において、列車便数の少ない時間帯などにいくつかの閉塞区間を一区間に集約して運転扱いを簡単にすることを併合閉塞という。

常用閉塞が票券閉塞式の場合、併合閉塞も票券閉塞式である。この場合、常用閉塞のときと併合閉塞の時とで誤認のないように、常用閉塞の同方向あるいは反対方向と通票の種別が一緒であってはならない。

常用閉塞がタブレット閉塞式の場合、併合閉塞は通常票券閉塞式に変更され、タブレット閉塞器に白地に赤字で「使用停止」と記された標識を掲げる。この場合常用閉塞が票券閉塞式の場合と異なり、タブレット閉塞のタブレットと票券閉塞の通票が容易に識別できるので、常用閉塞の同方向あるいは反対方向とタブレット(あるいは通票)の種別が一緒であっても構わない。また、同和鉱業(現小坂精錬)小坂鉄道のように、一部の私鉄では併合閉塞時にもタブレット閉塞式を施行した例がある(小坂鉄道の場合、併合時には大同D型閉塞器を使用していた)。この場合は、常用閉塞用と併合閉塞用で別個のタブレット閉塞機が必要となる。

連査閉塞式で併合閉塞を行う場合は、取り扱いを休止する停車場の閉塞器を停止させ、併合後に両端となる停車場間で一閉塞区間となるように回線を組み替えればよい(票券閉塞式に変更される場合もある)。しかし連動閉塞式を施行している区間で併合閉塞を行う場合は票券閉塞式に変更される。

代用閉塞

装置故障や通信切断などにより、通常の閉塞方式を使用できない場合に、通常の閉塞方式の代わりとして使用する閉塞方式。この方式は人為ミスによる事故が懸念され、「信楽高原鐵道列車衝突事故」では現実のものになった。

通信式

指令式

指導式

閉塞を示すための人(指導者)を各閉塞区間に1人ずつ設け、その者が乗った列車のみをその閉塞区間で運行可能にする方法。指導者をスタフ閉塞式のスタフに見立てた扱いになる。

指導通信式

指導者を設ける点は指導式と同じだが、その閉塞区間の両端にあたる停車場に指導券(票券閉塞式の通券にあたる)を設置する方法。指導者は票券閉塞式の通票に見立てることができ、同一方向に運転される最後の列車に指導者が乗車する。

指導指令式

各閉塞区間に指導者を設け、その指導者が無線通信機などを用いて閉塞が行われているか確認することにより閉塞を行う方法。

未来の指令方式

現在、JR北海道が、GPS(衛星による位置情報装置)を使った指令方式を検討中である。

外部リンク

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執筆の途中です

この「閉塞方式」は、鉄道に関連した書きかけ項目です。この項目を加筆、訂正などして下さる協力者を求めています。

Keywords: 閉塞方式, 10月16日, 2004年, ダイヤグラム, 仲ノ町駅, 併用軌道, 八戸線, 列車, 列車集中制御装置