鉱物

Keywords: 鉱物, オパール, カール・リンネ, グラファイト, ダイアモンド, ダイヤモンド, テルル, ハロゲン元素

frame|right|いろいろな鉱物鉱物(こうぶつ)とは、一般的には、地質学的作用により形成される、天然に産する無機質の結晶質物質のことを指すが、有機質の結晶や人工結晶も含まれる。生物起源である鉱物も存在する(生体鉱物)。また非晶質物質でも鉱物と呼ばれる例外もある(蛋白石琥珀)。また、広義には、動物、植物以外の自然物のことをさし、石油地下水までも鉱物に含められる場合がある。しかし、鉱物学では天然に産出する無機質の結晶構造をもつ物質のことを鉱物と定義している。

目次

鉱物種とは

 鉱物の種は結晶構造と化学組成によって特徴付けられている。結晶構造が同じであっても化学組成が異なれば違う鉱物となり、化学組成が同じでも結晶構造が異なれば違う鉱物となる。たとえば、方解石(CaCO3)とマグネサイト(MgCO3)は結晶構造はほぼ同一だが、別種の鉱物である。石墨(C)とダイアモンド(C)はともに炭素からなるが、結晶系が異なる別種の鉱物である。ただし、化学組成は固溶体などの場合、ある程度の幅を持つ。

鉱物と岩石

 鉱物と岩石はよく混同されてしまう。岩石は鉱物の集合体であり、化学的に均質なものではない。鉱物は化学的にほぼ均質で、分子レベルで結晶構造を持つ。具体的には墓石などに使われる花崗岩は岩石であるが、花崗岩は石英長石雲母などの鉱物の集合からなっている。また、単一の鉱物からなっていても、複数の結晶が集合していて、単一の結晶ではない場合、1種類の鉱物からなる岩石ということにある。たとえば、大理石は方解石の結晶により構成されるが、単一の結晶ではなく複数の方解石の結晶よりなっているので岩石である。

博物学と鉱物

 鉱物学博物学より発生しており、鉱物を自然物の分類として使ったのは博物学者のリンネである。リンネは自然界を動物、植物、鉱物の三界であるとした。当時の博物学は動物、植物が中心であったため、動物でもなく植物でもないもの、つまり、自然界の無機物は全て鉱物として扱われた。この影響が強く、鉱物の分類が確立された今でも「鉱物=自然界にある無生物」という意味を残している。また、かつて博物学は上流階級の趣味の一つであり、現在の鉱物採集や蒐集といった趣味もこの当時から発生している。現在でも欧米では鉱物や岩石、化石の採集、蒐集は高尚な趣味として認められている。日本でも、隔週刊で、鉱物の原石を添付するコレクション雑誌が発売されている(2004年11月現在)。

変わった鉱物

  • 金緑石 - 太陽下では緑、灯下では紫に見える(原因:特定波長の吸収)。
  • 菫青石 - ある方向からは紫、ある方向からは青く見える(原因:光学的異方性)。
  • 方解石 - 結晶を通してみると物が二重に見える(原因:複屈折)
  • 藍晶石 - 結晶面によって硬さが異なる(原因:物理的異方性)
  • 蛍石 - 熱や紫外線をあてると光る(原因:ルミネセンス

結晶構造と晶系

 結晶の原始配置パターンはいくつかに決まっており、これを晶系という。結晶構造は何らかの晶系に属している。結晶構造により、特定の方向に原子間の結合力に強弱が出るため、巨視的な結晶の外形(結晶形)や割れ方(癖開)にも結晶構造が大きな影響を与える。鉱物がどの晶系に属しているかによって、結晶の形、光学的な性質、癖開の方向などが大まかなに把握することができる。

 また、鉱物の分野では通常、七晶系で表現されることが多いが、七晶系のうち、三方晶系と六方晶系は性質が良く似ているので、六晶系とする場合もある。

鉱物の性質

 鉱物の性質は次のような項目で表現される。

  • 硬度 - 鉱物の硬さを表すときにはモース硬度が用いられる。硬度はゆっくりとこすり合わせたときの硬さであり、物理的な衝撃力に対する堅さではないことに注意せよ。
  • 比重 - 比重は水の重さを1としたときの重さ。通常 g/cm3
  • 晶系 - 結晶系とも言う。結晶構造と結晶系の章を参照のこと。
  • 光沢 - 結晶表面の質感。結晶表面の屈折率、反射率の影響でこの質感が決まる。光沢の表現は、金属光沢、ダイヤモンド光沢、ガラス光沢、樹脂光沢、脂肪光沢、真珠光沢、絹光沢。
  • 条痕色 - 硬く、表面の粗い板に擦り付けたときにできる線を条痕(じょうこん)といい、この色を条痕色という。条痕色は鉱物を粉末にしたときの色と等しい。条痕色は必ずしも鉱物結晶の色と同じではないことに注意せよ。
  • 劈開 - 結晶構造によっては特定方向に割れやすい性質があり、これを癖開面という。等軸晶系など結晶系によっては癖開を持たないものもある。癖開の表現は、きわめて完全、完全、不完全、きわめて明瞭、明瞭、不明瞭、無し。
  • 蛍光 - 熱や紫外線により蛍光をしめすことがある。
  • 断口 - 断口は割れ口のことで、鉱物種によっては特徴的な割れ口を示すものがある。貝殻状断口、亜貝殻状断口など。

化学組成による鉱物分類

ケイ酸塩鉱物

鉱物の一覧参照

炭酸塩鉱物

炭酸塩鉱物とは、炭酸塩からなる鉱物。 方解石など。

硫酸塩鉱物

硫酸塩鉱物とは、硫酸塩の鉱物。 天青石、明礬石、石膏など。

ハロゲン鉱物

ハロゲン化鉱物とは、ハロゲン元素を含む鉱物。蛍石など。

酸化鉱物

酸化鉱物とは、主として金属が酸素と結合している鉱物。 鉄鉱石など。

硫化鉱物

硫化鉱物とは、主に金属元素と硫黄とが結合している鉱物。熱水鉱床などでよく見られる。黄鉄鉱黄銅鉱など。

燐酸塩鉱物

燐酸塩鉱物とは、主として燐酸塩(リン酸塩)からなる鉱物。

元素鉱物

元素鉱物とは、単独の元素が鉱物となっているものである。 自然金自然銀自然銅自然蒼鉛グラファイトダイヤモンド(炭素)、硫黄テルルなど。

同質異像(多形)

固溶体

固溶体 :化学組成は必ずしも一定である必要はない。天然の結晶では一つの結晶中でさえ化学組成が微妙に異なっていることが知られている。また、一つの鉱物種として扱われるものでも化学組成はかなり幅を持つものももある。

相平衡

食べられる鉱物

 は岩塩として天然で産出する、食べられる鉱物である。

 本質的には「食品」でないが、滑石(タルク)は食品添加物としての用途を持つ。

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関連項目

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