島
Keywords: 島, 1964年, 1967年, 1975年, 1981年, 1995年, 9月10日, アフリカ大陸, アラビア半島, アリューシャン列島
島(しま)は、水域に四方を囲まれた陸の中で面積の規模の小さいものをいう。より規模の大きなものは大陸と呼ばれる。地理学的にはオーストラリア大陸以上の面積をもつ陸が大陸に分類され、それ未満の面積のものは島に分類される。この基準によれば面積最大の島はグリーンランドとなる。(世界一の一覧、島の一覧参照)。国土地理院の定義によると、島未満の地形として、暗礁や洗岩、干出岩、水上岩からなる岩礁がある。
1964年9月10日に効力を発揮した領海及び接続水域に関する条約 (The Convention on the Territorial Sea and Contiguous Zone, UNCLOS) には島の条件を3つ定めている。すなわち、自然に形成された陸地であること、水に囲まれていること、満潮時に水没しないことである。この定義から外れると領海を形成するために有効な領土ではなくなる。そのため、日本は沖ノ鳥島が波浪による侵食によって満潮時に水没しないように消波ブロックなどを設置している。
日本の地理を対象としている場合、通常北海道、本州、四国、九州の4つは島とは呼ばない場合もある。が、日本の領土が全て島からなる.
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島の成因
海洋に位置する島を成因によって分類すると、大きく三つに分かれる。プレートテクトニクスにより大陸から分離した「小大陸」と見なせる島、陸島、洋島である。「小大陸」の代表例はグリーンランドとマダガスカル島である。
大陸はプリュームによるマントル対流によって、数cm/年程度の速度で移動している。約6億年前の古生代石炭紀に、先行する超大陸が南北に分離した。それぞれ、ゴンドワナ大陸とローラシア大陸と呼ばれる。ゴンドワナ大陸は現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸、アラビア半島、マダガスカル島を含んでいた。1億6000万年前からゴンドワナ大陸自体も数次にわたって分裂を続けた。7000万年~9000万年前の中生代白亜紀後期の最後の分裂の際、インド亜大陸と分離したのがマダガスカル島である。そのため動植物の分布がアフリカ大陸とは異なっている。
ローラシア大陸は、現在のユーラシア大陸と北アメリカ大陸、グリーンランドを含んでいた。約5000万年前(新生代第三紀)に、グリーンランドは北アメリカ大陸と分離した。
陸島
大陸棚に存在する島を陸島という。大陸と陸続きであったが、海進、沈下などの原因により大陸と切り離されたために孤立した陸地である。地質構造や陸上の地形に大陸との類似が見られる。代表例はカリマンタン島、グレートブリテン島と台湾島である。カナダ北部の島々も陸島である。
陸島のうち大陸や他の大きな島に近いものは砂州によって大陸などと陸続きになることがある。これを陸繋島と呼ぶ。
後述するサンゴ礁のみからなる陸島もある。例えばオーストラリア大陸東岸北部に2000kmにわたって伸びるグレート・バリア・リーフは大陸棚に位置する700個前後の島で発達した堡礁である。
洋島(火山島)
大陸棚ではなく、海洋底から直接海面に達している島を洋島という。基本的には火山活動によるが、単純な火山性の島と、火山島などの沈下によって形成されたサンゴ礁に分かれる。
火山島はホットスポット上に位置するものと、プレート境界に分布するするものに大別できる。ホットスポットとは上部マントル層内のうち、定常的に融解したマグマをいう。例えばハワイ諸島の場合、約7000万年にわたって、同一のホットスポットが多数の島を生成してきた。古い島は侵食を受け、海面下に海山として残っている。アイスランド島もホットスポット上にある。
プレート境界(沈み込み帯)に位置する島は孤立した火山島のほか、マントル対流の沈み込みによって地殻が盛り上がって生成する場合もある。このような島は弓状に分布することが多く、島弧と呼ぶ。
火山島や島弧は太平洋プレートの周辺(環太平洋火山帯)に目立つ。以下に北極側から反時計回りに記す。
このほかにカリブ海東端の小アンティル諸島に属する島、例えばマルチニーク島などは、カリブプレートと北アメリカプレートの沈み込み帯上に位置する火山島である。
洋島(サンゴ礁)
サンゴ礁は、刺胞動物門花虫綱に属するサンゴ類と光合成を行う緑藻類や紅藻類といった細胞内の共生藻から成る集合体である。サンゴ礁の主成分は石灰岩(炭酸カルシウム)だ。石灰岩はサンゴ類の骨格(骨片)のほか、共生藻の分泌物の沈着によって生成する。このため、太陽光が十分透過する水深40m~60mよりも浅い海中でなければサンゴ礁は成長しない。水温も25度前後でなければならない。
サンゴ礁は島の周辺の海岸を取り囲む裾礁(きょしょう)として発生する。代表例は小笠原諸島、奄美諸島、沖縄諸島である。裾礁が形成された後に、中央の島が沈降すると、島の海岸線から数kmはなれた位置にドーナツ型のサンゴ礁からなる陸地が形成される。これを堡礁(ほしょう、バリアリーフ)と呼ぶ。沈降がさらに進むと中央の島は消え、ラグーンと呼ばれる礁湖を取り囲む幅数100m~1km程度のドーナツ型の陸地だけが残る。これを環礁(かんしょう、アトール)と呼ぶ。サンゴ礁自体が成長することから、波による侵食に強く、孤島であっても波浪による侵食に耐える。
サンゴ礁に基づく島にはさまざまなバリエーションがある。サイパン島やグアム島を含むマリアナ諸島や小笠原諸島はプレート境界に位置する火山島とサンゴ礁が複合した裾礁の段階にある。南太平洋に位置するメラネシアやポリネシアでは、堡礁や環礁の段階に達している。東部ミクロネシアに位置するマーシャル諸島共和国の国土は30個弱の環礁だけから成る。
宮古島や石垣島などの先島諸島は裾礁形成後に隆起したため、サンゴ礁段丘や隆起サンゴ礁と呼ばれる特異な地形がよく発達している。
経済学的な重要性
規模の小さな弧島は居住、農業などに適さないが、さまざまな経済的重要性を持つ。古くは漁船などの補給基地や灯台を設置することで役立っていた。近年では排他的経済水域を確保するための基点となっている。日本国内では沖ノ鳥島、南鳥島、大東島諸島が有力である。島は気象観測拠点としても重要だ。現在にいたっても海洋内の定期観測拠点が少ないためである。
人工島
人工の「島」も存在する。日本国内で比較的大規模なものでは、工業生産のために1967年に埋め立てられた東京都大田区の平和島、同年ゴミ捨て場として作られた東京都江東区の夢の島などがある。1981年には神戸ポートアイランド博覧会開催のために兵庫県神戸市のポートアイランドが埋め立てられた。小規模なものでは石油、ガスなどの採掘プラットフォームや橋脚などの土台なども一種の人工島といえる。例えば東京湾アクアラインのために作られた木更津人工島(海ほたるパーキングエリア)などがある。
水底に接していない島を浮島と呼び、天然でも湖沼の一部に浮島が見られる。例えば秋田県鹿角市の作沢沼にはミズゴケ類からできた直径数mの浮島が見られる。浮島は人工島としても有望視されている。1975年から翌年にかけて開催された沖縄国際海洋博覧会では、100m四方のアクアポリスが利用されている。このような巨大な浮体構造物をメガフロートと呼ぶ。1995年からは横須賀沖で1000m×120mという最大規模のメガフロート実験が行われた。
地形以外の島
地理学上の用語以外に、島にはさまざまな意味がある。人里から隔絶した土地という意味でも古くから島という言葉が用いられてきた。例えば、源頼朝が流刑となった蛭ヶ小島は、伊豆山中(静岡県伊豆の国市)に位置する。膵臓中でインシュリンなどのホルモンを分泌するランゲルハンス島は、顕微下の観察で他の膵細胞から独立して見えたことに由来する。
平安時代末期から鎌倉時代初期に記されたと考えられている日本最古の造園書である『作庭紀』(さくていき)は、庭の主たる構成要素として築山、池、島、南庭白砂、鑓水を挙げている。これが転じて、池や築山のある日本庭園のことを島と呼ぶことがある。
「島」という漢字は、渡り鳥が羽を休めるために利用する海にある山を表すために作られた文字だという。
