自転車
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自転車(じてんしゃ)とは、狭義では、二つの車輪がついている、動力源が付いてない乗り物をさし、広義には車輪の数に関わらず、人力を主たる動力源として車輪に伝えて移動するものをさす。
原動機付自転車は自転車に含まれない。
地球温暖化問題が叫ばれる現在、クリーンな移動手段として見直されている自転車であるが、さまざまな問題も起こっている。
一方で、日本においては自転車の「交通手段」としての位置付けが不明確である。このため、特に都市部で、自動車からも歩行者からも疎外され、交通行政からも邪魔者扱いされるケースがあり、今後の課題である。
thumb|MTB類型車(マウンテンバイク)
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法律上の定義
日本の法律上では、「ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。」(道路交通法、第2条、十一の二)と定義されている。 道路交通法の定義により業務上過失傷害罪・重過失傷害罪等の公訴事実には、現在ではほとんど見られない手こぎ式自転車や四輪自転車と区別するため、「二輪の足踏み式自転車を運転し」等と現代でも表記される。
自転車の部品・構成
- 最大の部品であり、自転車としての根幹であるフレーム。フレームの基本形、ダイヤモンドフレームは8本のパイプで構成される。
- 前輪とフレーム間でステアリングコラムを中心に操舵可能なフロントフォーク
- 操作用のハンドル
- ハンドルとステアリングコラムを結合するステム
- 動力源として足の運動を受けるペダル
- ペダルの回転運動を後輪に伝える駆動部分(チェーン、ベルト、シャフトの3種類がある)
- ディレイラー
- フロントスプロケット
- チェーン
- 力を地面に伝える後輪(前輪で駆動する種類もある。)
- 走る方向を決める前輪
- 前後輪の動きを止めるために双方につけられたブレーキ
- 運転者が腰をかけるサドル
自転車の歴史
最初の自転車は、1817年にカール・フォン・ドライス男爵によって発明されたドライジーネと呼ばれるものである。これは足で直接地面を蹴って走るものであった。その後、前車輪の軸にペダルを付けたもの(オーディナリー型)が発明された。スピードを出すため、オーディナリー型自転車の前輪はどんどん拡大し、大きなものでは直径が1mを越えていた。このため乗車するのが非常に大変で、また危険でもあった。19世紀後半になり、車体の中心付近にペダルとクランクを設け、後車輪とチェーンで連結することで動力を伝える現在の形のものが現れた。
自転車の利用
近年は健康面と環境面からサイクリングが奨励され、その一環として県などの自治体が河川沿いに自転車専用道路を建設している。利根川や江戸川沿いには長大なサイクリング専用道が設置されている。
自転車と職業
自転車を使う職業の代表は郵便配達だが、英国では1880年に自転車による郵便配達が始められ、現在でも約37,000人の配達員が自転車を利用している。また新聞配達や出前などに自転車を使う職業は多い。英国の警察も1896年から自転車によるパトロールを始めた。日本の警察は車とバイクによるパトロールに切り替えてしまったが、国によっては交通渋滞の多い都市で自転車パトロールを復活させるところもある。都市部における輸送手段の一つとして利用されることもある。
自転車と軍隊
自転車が戦争に利用されたのはボーア戦争が始まりで、英軍・ボーア軍ともに斥候に自転車を使った。第一次世界大戦ではドイツ軍、フランス軍が軍隊の移動に自転車を利用した。 日本軍は日中戦争で5万人の自転車部隊を動員し、マレー半島攻略作戦でも銀輪部隊が活躍した。スイスの軍隊では長期にわたって自転車部隊を存続させた。
自転車と国民性
自転車の大敵は坂道だが、国土の大半が平坦地であるオランダやデンマークでは自転車の利用が非常に盛んである。中華人民共和国でも沿海部の平地では自転車の利用が極めて多い。一方、大韓民国では人力を賤しむ伝統的な風潮が強く自転車を嫌う人が多い。
性能
一般的な自転車の速度は時速16~35kmである。搭乗者の体格に合わせて作られた競技用自転車では平坦な路面に於て一時的に時速70kmを出すことも可能である。平地での単独走行での最高到達速度記録はカナダのサム・ウィッティンガムが2001年にカウリングをつけたリカンベントで達成した時速142.51kmで、これは人力駆動の乗り物による最高速度記録でもある。だが、実際の公式最高速度記録は1995年10月3日にオランダのフレッド・ロンベルバーグが時速268kmの瞬間最高速度を記録を出し、走行速度も時速250kmを記録した。これは、瞬間的にでも自転車が東海道新幹線の最高速度にほぼ達したということである。
しかし、また、自転車による移動は生物と機械の両方の中で、その移動に要するエネルギーの量に関して突出して効率的であり、人間がある距離を移動するのに必要なエネルギーの量で比べると自転車がもっとも効率的な機械であることが実証されている。
部品・素材の進化
基本的な構造については普通の自転車については完成されたものとなっているが、構成する個々のパーツについては素材の変化などさまざまな進化が続いている。それらは更なる速度・安全性などの要求から生まれたものであるが、自転車にもまだまだ進化の可能性が残っていることをしめしている。
- フレームの素材
- 車輪の変化
- ブレーキ
- サスペンション
- タイヤ・チューブ
- バルブ 虫ゴムをなくし、空気漏れを軽減した英式
走行可能な道路
日本の法令(道路交通法)上、自転車は「軽車両」に分類され、本来は車道の左端を通行しなけらなければならないのであるが(歩道を走る場合は自転車から降りて歩行者としてなら可)、下記の道路については通行可能である。
- 自転車道 (物理的に区画された道路の一部であって自転車に供用する部分)
- 「普通自転車」は原則ここを通行しなければならない。ただし、四輪以上かサイドカー・リヤカー付きの自転車は通行できない。
- 自転車専用道路 (道路の全部につき自転車が専用するもの)
- 自転車歩行者専用道路 (道路の全部につき自転車・歩行者が専用するもの)
- 歩行者絶対優先。
- 歩行者の通行を妨害する場合は通行できない。歩行者絶対優先。
- 無条件に徐行しなければならない。
- 歩道の中央から車道側寄りの部分を(道路標示があればその部分)徐行。
- 歩行者の通行を妨害する場合は自転車が一時停止しなければならない。歩行者が避けるのではない。歩行者絶対優先。
- 「普通自転車」でない自転車や、四輪以上かサイドカー・リヤカー付きの自転車は歩道を通行・徐行できない。
下記は道路構造令上の区分であり、道路の設計上は自転車の通行は考慮されているが、道路交通法上は歩道扱いとなる。
- 自転車歩行者道 (道路の一部であって自転車・歩行者に供用するもの)
自転車にかかわる問題
免許不要で価格も高くないものがあり手軽な乗り物である自転車であるが、それゆえにいくつもの問題が発生している。日本における主な問題には次のようなものがある。
- 放置自転車 : 自転車を駐輪する場合、多くは歩道に駐輪されているが、歩道は道路として自転車はもとより、商店の看板・植木なども置くことはできない。自転車が集中する商店街・駅などでは膨大な自転車が放置されている。駅周辺には駐輪場が設置されている場合が多いが、駐輪場に収容出来ない場合、もしくは駐輪場まで自転車を移動しない利用者もあり(駐輪場の有料・無料の問題も含めて)、違法駐輪及び駐輪場の整備は全国的な問題となっている。一方で用地上の問題からか、施設から駐輪場までの距離が自動車の駐車場より遠いこともあり、交通行政のバランス感覚に課題があるケースもある。
- 歩道等における事故の発生 : 自転車が走ることができる歩道(走行可能な道路参照のこと)等でも、歩行者を優先・配慮する義務があり、通常の歩道においては自転車は本来、走ることは出来ない。歩道・路側帯上を通行する歩行者は絶対優先にも関わらず遵守しない者が多いため、歩道等で歩行者を巻き込んだ事故が多発している。ある程度以上のスピードを出して歩道を走り、歩行者(または他の自転車)に激突すれば重大な結果(重傷ないし死亡)を引き起こす可能性を認識すべきである。自転車といえども人を死傷させた場合は重過失致死傷罪(5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金)に問われうる。また、自動車等と違い、損害賠償責任保険につき強制もなく任意契約も一般的でないため、人を死傷などさせて巨額の損害賠償金を自己負担し、あるいは自己破産する事もありうる。
- 車道・自転車道の不整備:他方、本来の自転車の走行空間である車道の左側端も、後述するように決して自転車の通行に適したような整備もなされず、空間的な保障もなく、このことが自転車の「道路からの疎外」を生み出しているとも言える。また、歩行者および自動車等が原則通行禁止である自転車道も、道路管理者にとっては近年の事故増に伴い必要性が認識されてはいるが、普及しているとはとても言い難い状況である。
- 盗難 : 自転車に使われている錠は破錠が容易なものもあり、自転車そのものの重量が軽いので盗難が可能である。錠については自転車製造会社によってさまざまな研究がなされている。
- 運転上のルール軽視 : 夜間の点灯については守られることが少ないため相手に視認されず、自転車事故の主要な原因となっている。車道の左側通行その他の通行上のルールについても守られないことが多い。また一旦停止の無視や交差点などでの左右確認の怠慢なども多く、事故につながっている。歩道での高速走行、警音器(ベル)による歩行者への警告も、歩行者絶対優先に反するものである。携帯電話の普及により携帯電話を使用しながら走る姿も見受けられるようであるが、これは以前よりある傘を差しながらの走行同様、非常に危険なものである。
中立的な観点
left|この記事について、中立的な観点の面から議論中です。詳しくはこの記事のノートを参照してください。
- 交通手段としての中途半端な位置付け:以上のように、自転車は歩行者などに対しては交通強者としての性格を持ち、他方で自動車(以下クルマ)に対しては交通弱者の性格を強く持つ(いずれにせよ交通ルールへの配慮は必須であり義務である)。にも拘らず、交通行政の自転車への眼は概して冷たい。
自治体によっては、自転車に関しては銀輪公害を喧伝し撤去など強硬手段を常用する一方で、都市空間占有による他交通への影響がはるかに多大なクルマの違法路上駐車については事実上黙認するが如き、自転車に厳しくクルマに甘い不公平な施策をとる都市も見られる。路上駐車が深刻化している都市は、概してその傾向が強い。それでいて交通行政は、環境保護キャンペーン等の折のみ「自転車は環境にやさしい乗物」と、形だけ称揚してみせたりするのである。
「クルマ社会」の名の元、クルマによる路肩・歩道への違法駐車は常態化し、のみならず一部の心無いドライバーによる「後方確認無しの開扉」や「ウィンカー点灯無しの左折」などによって、自転車の通行は危険に晒されたものとなっている。確かに自転車の放置は問題だが、それならクルマの違法駐車も、せめて同程度に取り締まられて然るべきである。
通行する各人の自覚はもちろんだが、交通行政には、歩行者へも自転車へもクルマへも、平等よりむしろ公平を心掛けることが求められている。
自転車による旅行
気軽な移動手段として用いられることの多い自転車であるが、時には自転車による移動を中心とした旅行も行われている。日帰り、一泊程度の軽い旅行から数ヶ月~数年かけての大陸縦横断、世界旅行なども行われている。
他の交通機関による輸送
- 自動車による輸送:日本以外ではバスの前部に自転車を載せるラックを取り付けているものも運用されている。
- 船(フェリー)による輸送
以下の場合は、折り畳み自転車以外は、フレームと前後輪に分解し「輪行袋」と呼ばれる専用の袋に詰めて自力で担いだり搬送を依頼したりする。
(分解対応の専用自転車が必要)
- 飛行機による輸送:折り畳み自転車でも、通常は十分、無料バゲッジとして搬送依頼できる。
- 鉄道による輸送:日本では通常は手荷物としてまとめなければならないが、国や地域によってはその必要がない場合がある。
- 宅配便による輸送
車種
用いる場所、使用する人によって自転車はさまざまな種類が造られている。スポーツに使われる場合は、特化した性能が求められており、一般用の車輌とは大幅に異なる車輌となっている。
- トラックレーサー(ブレーキがないので、公道走行の場合は、別にブレーキシステムの装備が必要)
- ロードレーサー
- シクロクロス
- スポルティーフ
- ランドナー
- ディアゴナール
- マウンテンバイク
- パスハンター
- BMX
- クロスバイク
- プロムナード
- 軽快車(ママチャリの俗称がある)
- リカンベント
- 電動アシスト自転車
- タンデム
- 折り畳み自転車(フォールディングバイク)
- デモンターブル
- 三輪車(いわゆる幼児用含む。前2輪、後2輪の大人用車輌あり)
- 一輪車(法律上の定義から軽車両ではあっても自転車ではありえないが、広義の自転車の中に含めるという考え方もできる)
- サイクルサッカー用自転車
- 実用車
スポーツとしての自転車
新しい物が生み出されると(それが競走が可能な物ならばなおさら)競技が行なわれるようになるが、自転車も様々な形の競技が行なわれている。また各競技に最適化される形で自転車の構造も細分化されてきている。
競技種
メーカー(完成車)
日本
- アラヤ
- ツノダ
- 出来鉄工所
- ナショナル自転車工業
- ブリヂストンサイクル
- 丸石自転車
- 宮田工業
- マルキン自転車
日本国外
メーカー(部品)
自転車をテーマにした漫画
- ギャンブルレーサー(田中誠)
- 打鐘(ジャン)(山本康人)
- もがけ!100万馬力・怪物 滝澤正光(画・近藤良秋、作・青柳俊)
- 一人ぼっちのリン(画・池上遼一、作・雁屋哲(阿月田伸也))
- 輪道-RINDO-(井ノ内貴之)
- 本命は俺じゃない(北鏡太・とんぼはうす)
- シャカリキ!(曽田正人)
- サイクル野郎(荘司としお)
- 茄子「アンダルシアの夏」(黒田硫黄)
- 並木橋通りアオバ自転車店(宮尾岳)
その他
- 「新製陸舟車」
- 近年の史料研究にて確認された「世界で初めて発明された自転車相当の乗り物」が、新製陸舟車である。産業考古学会(※外部リンク)の2003年5月開催の総会において、「1728 ~ 1732年のわが国における自転車の発明」と題して梶原利夫が報告している。
- それによれば、彦根藩士の平石久平次時光(ひらいし くへいじ ときみつ、1696年 - 1771年)が記した『新製陸舟奔車之記』(滋賀県彦根市立図書館所蔵)に記された乗り物がペダル状及びハンドル状の機構を有して人力で走る三輪車であり、享保17年(1732年)に実際に作成されて走行に成功している。これは、ヨーロッパでの自転車の発明時期から大幅にさかのぼり、世界で初めて自転車の概念を実現したものであるという。
- この技術は、当時の一般的な路面状態の悪さや、幕府による地方の新技術発達を抑圧する政策などにより、平石個人のものに留まったと考えられている。1980年代初めに当時中日本自動車短期大学教授であった大須賀和美が、自動車技術の視点から「自動車前史」として発表したが、注目を集めなかった。なお梶原の報告によれば、平石が研究を開始したのは、当時武州児玉郡(現埼玉県本庄市)で農民が作り江戸の街で評判となった「陸船車」という乗り物に触発されたかららしいが、「陸船車」については史料は残っておらず、平石も仕組みは知らなかったようである。
- 「新製陸舟車」は2003年秋にテレビ番組でも取り上げられ、船大工の人々により史料通り原寸大に復元されて東京都内の路上を走行した。
- 英式や仏式などがあり、バルブの形式やブレーキレバーの前後と左右の組み合わせが異なる。日本では、英式が主流。
日本のサイクリングロード
関連項目
外部リンク
- 財団法人日本サイクリング協会
- ネットペダリアン(日本アドベンチャーサイクリストクラブ)
- 自転車広場(日本自転車普及協会)
- 日本交通管理技術協会 TSマーク
- 日本室内自転車競技連盟(JFIC)
- 日本自転車競技連盟(JCF)
- 社団法人自転車協会認証自転車協会認証(BAA)BAA(BICYCLE ASSOCIATION(JAPAN) APPROVED)
