自然科学
Keywords: 自然科学, アイザック・ニュートン, ガリレオ・ガリレイ, スコラ学, ノーベル賞, ヒト, ベクトル, ヨハネス・ケプラー, 中世, 人文科学
自然科学(しぜんかがく、natural science)とは、一定の方法により一般的な法則を導き出すことで自然の成り立ちやあり方を理解し、説明・記述しようとする学問の総称。ここでいう「自然」とは大きくは宇宙から小さくは素粒子の世界まで森羅万象を含み、われわれヒトを含めた生物やその生息環境も自然科学の対象となる。
狭義には数学、物理学、化学、生物学、地学、天文学など自然科学全体の基礎となる理論的研究をする部門を指し、これを理学ともいう。
その歴史は科学史として研究対象となっている。
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説明
| 75px ケプラー |
| 75px ガリレオ |
| 75px ニュートン |
自然科学の方法論は、仮説と実証である。 今では当たり前に思えるこの方法論も、意外に新しい。
17世紀のヨーロッパの物理学者(ケプラー、ガリレイ、ニュートン等)の天文現象との格闘により確立した。
実証を支える精密な実験、実験解析方法の進展、また理論を展開する土台となる数学手法の構築。 オープンに科学の成果を交換しえる場の登場(ロンドン王立協会、パリ王立科学アカデミー等)。 また同時期に学術雑誌が登場し、ジャーナル・アカデミズムが確立した。 新たな知識は、公開の場で討論され鍛え上げられていく。 そして、科学成果は、発見者の占有物ではなく万人の知的共有財産となる。 発見者はプライオリティという名誉のみを享受する。(20世紀に入ると科学者の最高名誉であるノーベル賞が制定された)
これらすべてを可能たらしめるシステム全体が近代自然科学の営為である。 貴重な知識が隠匿される中世の時代から、共有される時代へ変貌したことが、その後、科学知識が膨大に蓄積されていく原動力となった。
このように自然科学は、すでに築き上げられた知識の体系を指すのと同時に、方法論、システム全体をさすことを忘れてはならない。 近代自然科学とは、ギリシャの自然哲学のように、ある天才哲学者の頭脳が紡ぎだしたもの、ではないのだ。あるいは中世のスコラ学のように、精緻な理論構築物ではあるが、なんら実証精神(実証主義)を含まないものではないのだ。
しかし現代の進んだ科学技術の元の大衆化社会では、自然科学はできあがった知識の体系とのみ見られる傾向がある。このような批評精神に欠ける見方は非常に危険である。 現代社会が自然科学のような外見をもち、その実、自然科学の要件をみたさない疑似科学の跋扈を絶つことができない原因はここにある。
還元主義と複雑系
知識をある基本法則に帰着させる方法論を還元主義と呼ばれることがある。この語が否定的トーンで語られることの多いのは、「科学技術」という応用面の発展もうながして人類への貢献も大きなものがあったものの、生命の起原や生物社会の成り立ちなどこの方法では説明が困難な対象も存在するからであろう。近年、これらの対象を素因子が相互作用する場として捉えることでその成り立ちを理解・説明しようとする複雑系の手法も成立しつつある。ここでの方法論は還元主義のそれとは違うアプローチをとっており、自然科学および経済活動など社会科学の分野でこれまで説明困難であった事象の理解がすすむのではないかとも期待されている。
自然科学の分野
自然科学と数学
数学は自然科学との、殊に物理学との関連が非常に強い学問である。ベクトルや微分のように、自然科学に由来して考案された数学的概念は多い。自然科学と数学は互いに影響を与え合いながら進歩してきており、この関連の強さを重視して数学を自然科学に含める考え方もある。例えば日本十進分類法では数学は自然科学の下位項目として扱われている。
一方で、 「自然世界を相手にし、仮説と実験という方法論を採る」という自然科学の最大の特徴を欠いている点で数学は自然科学とは異質であり、自然科学の一部ではないと考える人も多い。この考えによれば、数学は自然科学というよりは自然科学を記述するための"メタ科学"であるということになる。
しかしまた、ある定義の下で自然に定まる論理の連鎖や数理的な成り立ちをも自然世界のあり方と捉えて、それを探求する学問である数学もまた自然科学に含まれると考える考え方もある。
