綿
Keywords: 綿, 799年, アフリカ, アメリカ合衆国, イギリス, インド, セルロース, パキスタン, 三河国
植物のワタは、ワタの項目を参照のこと
綿(めん、わた、英cotton)は、アオイ科ワタ属の多年草の総称。また、これらの植物の種子のまわりについた繊維を指す。繊維を指す場合、木綿(もめん)、綿花(めんか、元の用字は棉花)とも呼ばれる。本項目では、繊維としての綿について述べる。
繊維としては伸びにくく丈夫であり、吸湿性があって肌触りもよい。このため、現代では下着などによく使われるが、縮みやすいという欠点もある。化学的には、セルロースでできている。
性質
綿の種子は硬い蒴果のなかにあり成熟するにつれ、はじけて綿花が現れる。蒴果の内部は隔壁によって数室に分かれ、各室に数個の種子があり、それに綿毛が密生している。この綿毛は外皮細胞が変形したもので、綿の種類によって長短に分かれる。
生の綿毛は管の中に水を入れたようなもので、熱するにつれて内部の水分が枯れて中空になり、さらに繰綿すれば、管内の水分はまったく乾燥して綿毛が自然によじれる。綿を顕微鏡で観察した際に見られるよじれはこのようにできる。
歴史
原産地はインドとアフリカといわれ、紀元前2000年にはインドで既に栽培され、繊維として使われていたことが分かっている。紀元前には既に西アジア、ヨーロッパに伝わっていたが、ヨーロッパではあまり多量には生産されなかった。南アメリカでも紀元前に綿が使用されていた。
16世紀以降、交易を通じてインド産などの綿が、主にイギリスにもたらされ、18世紀ごろにはイギリスの羊毛業をおびやかすまでになった。1780年代になると、自動紡績機や蒸気機関が相次いで実用化され、イギリスは綿輸入国から一気に世界最大の輸出国に転換した。この綿産業の発展を主軸にした産業構造の変革は、産業革命ともいわれる。なお、イギリス産の綿の原綿は、主にアメリカで栽培されたものである。
日本へは799年、三河国(現在の愛知県西尾市)に漂着した自称インド人によってもたらされ栽培されたが、1年で途切れたという。この故事に由来して、この地には綿神を祭る天竺神社がある。この後、綿は唐や朝鮮からの輸入に頼ることになり、長い間高級品であった。その後、連続して栽培され一般的になるのは、16世紀以降とされる。
明治以降、政策により綿布の生産が強化されたこともあり、1930年代には輸出量が世界一となった。第二次世界大戦時は輸出は停止したが、戦後復活し、再び世界一になった。ただしその後は安価なアジア産の綿布に押され、生産量は減少している。
生産
世界の綿の生産量は2100万トン。(2001年 概略値)
