旧約聖書
Keywords: 旧約聖書, 1世紀, 2世紀, 8世紀, アラム語, イザヤ書, エステル記, エズラ記, エゼキエル書, エリエゼル・ベン・イェフダー
旧約聖書(きゅうやくせいしょ)は、ユダヤ教およびキリスト教の聖典。その大部分はヘブライ語で記述され、一部にアラム語が用いられている。
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様々な呼称
旧約聖書とは、新約聖書のコリント人への第二の手紙 3章14節の「古い契約」という言葉をもとに、2世紀頃からクリスチャンによって呼び習わされ始めた呼称である。しかし、「古い契約」とは単にモーセの律法契約を指すのではないかとする意見が散見されるようになり、また、「旧約」という表現ではユダヤ教徒を刺激することもあって、最近ではユダヤ教聖書、ヘブライ語聖書とも呼ばれるようになった。しかし、ユダヤ教が改宗を積極的に勧めない宗教であることや、日本でのユダヤ教コミュニティの少なさやなども手伝ってか、日本語では依然として「旧約聖書」と呼ばれることが多い。
ユダヤ教においては、Torah(トーラー:律法)、Nevim(ネイビーム、ネビイーム:預言者)、Ketubim(クトビーム、ケスビーム、ケトゥビーム:諸書)の頭文字、TNK に母音を付した Tanakh(タナク、タナーク、タナハ、タナッハ)と呼ばれる他、Miqra(ミクラー:朗誦するもの)と呼ばれることもある。ミクラーはクルアーンの語源でもある。
聖典化の過程
「モーセ五書」は、紀元前4世紀頃には正典的な権威が与えられており、「ヨシュア記」以降の「歴史書」は、その後まもなく正典的な扱いを受けた。
「預言書」は、紀元前4世紀頃の部分も含んでおり、紀元前2世紀頃に正典的な地位が確立された。最終的には、1世紀の終わりごろユダヤ教においてキリスト教を排斥したヤムニア会議で正典化された。このヘブライ語本文を、8世紀以降、マソラ学者が母音記号等を加えて編集したものがマソラ本文で全24書である。
別に、紀元前250年頃からギリシャ語に翻訳された七十人訳聖書(セプトゥアギンタ)があり、古い形態を残しており、特にパウロを含めキリスト教徒が日常的に用い、信仰を形成したもとになったので重要である。マソラ本文と七十人訳聖書(セプトゥアギンタ)では構成と配列が異なる。また七十人訳聖書に基づいたラテン語訳のヴルガータでは、収められている文書は同じだが正典を39書としている。
ユダヤ教の正典は上記のとおり1世紀に決められているが、キリスト教では教派によって異なる。聖公会およびプロテスタント教会はマソラ本文のみを正典と認めている。(後掲の一覧参照)。
マソラ本文の配列
- 律法(トーラー)
- 預言者(ネビーイーム)
- 諸書(ケスービーム)
セプトゥアギンタ/ヴルガータの構成
(†セプトゥアギンタに含まれない書物、‡ヴルガータに含まれない書物、#東方正教会で正典扱いではない書物*カトリック教会で正典扱いではない書物 “”日本ハリストス正教会における名称)
- モーセ五書
- 歴史書
- 教訓書(知恵書)
- 預言書
諸教派の旧約聖書配列の一覧
脚注
- 1 プロテスタントの旧約聖書には含まれない。
- 2 カトリックと正教会のエステル記にはプロテスタント版では含めない103節がある。
- 3 カトリックの聖書ではバルク書はエレミヤの手紙という第6章を含む。バルク書はプロテスタントの聖書には含まれない。
- 4 カトリックと正教会ではダニエル書はプロテスタント版にはない3つの章がある。それは「アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌」「スザンナ」「ベルと竜」である。
- 5 ヴルガータ聖書ではマカバイ書1・2はマラキのあとにおかれている。
- 6 カトリックとプロテスタントの聖書には含まれない。
- 7 オデス書はマナセの祈りを含む。これはカトリックとプロテスタントにはない。
- 8 東方正教会の聖書はバルク書とエレミヤの手紙が独立している。
- 9 東方正教会は詩篇が1つ多い。
