核分裂反応
Keywords: 核分裂反応, ウラン, ジュール, モリブデン, ランタン, 不安定核, 中性子, 中性子過剰核, 低濃縮ウラン燃料, 元素
核分裂反応(かくぶんれつはんのう、Nuclear fission)とは、不安定核(重い原子核や陽子過剰核、中性子過剰核など)が分裂してより軽い元素を二つ以上作る反応のことを指す。
この分裂の仕方は大きく分けて3つ存在する。
- 電子もしくは陽子を放出して僅かに軽い核になる。
- He核を放出して少し軽い核になる。
- He核より重い大きな核を一つ以上放出してかなり軽い核になる。
このうち 1, 2 は一般には核崩壊といい、この核崩壊を起こす原子核は放射線を出す能力を持つ(放射能)。原子核分裂というと 2, 3 になるが、一般的には 3 の事を指す事が多い。
鉛より重たい原子核は一旦崩壊を始めると連鎖反応を起こして数回~十数回の 1, 2 の崩壊を起こす。また、自然に核崩壊を起こす原子核(=自然放射性元素)の崩壊過程は発熱反応である。この連鎖反応と発熱反応の性質を利用して一度に大量の熱を生成する事が出来る。これが原子力発電や原爆の基本原理である。
ウラン原子の核分裂
天然ウラン(ウランの安定同位体)には、核分裂を起こすU235、および核分裂を起こさないU234、U238が含まれている。U235に熱中性子を一つ吸収させると、ウラン原子は大変不安定になり、二つの原子核と幾つかの高速中性子に分裂する。このとき、質量欠損に相当するエネルギーが外部に放出される。
代表的な核分裂反応としては下記のようなものがある。
上式で括弧内に示した質量数は、原子核の中に存在する陽子と中性子の和であり、右辺と左辺の核子数は等しいことがわかる。しかし、原子核の質量を精査すると、陽子と中性子の質量の総和とは若干の誤差があり、これが結合エネルギーである。よって、分裂前と分裂後の質量の差は結合エネルギーの差であり、質量欠損と呼ばれる。核分裂を起こす際には、この質量欠損に相当するエネルギーが外部に放出される。特殊相対性理論より、失った質量から、エネルギー値をE=MC2で計算すると、ウラン原子一つあたり約200MeVとなり、ジュールJに換算すると3.2×10-11Jとなる。1グラムのウラン235の中には、2.56×1021個の原子核を含むので、1グラムのウラン235が全て核分裂を起こすと、およそ8.2×1010Jのエネルギーが生まれる事になる。 このウラン235は、天然ウランに0.72%、原子炉で使用するウラン燃料に3%~5%、原子爆弾に使用する高濃縮ウランには90%以上がそれぞれ含まれている。
