医師
Keywords: 医師, 16世紀, 1999年, 2004年, 5月, アメリカ, イギリス, ドイツ, ドクター
医師(いし、Doctor)
医学に基づいた傷病の予防、診療および公衆衛生の普及を責務とする医療従事者である。俗に、「(お)医者(さん)」とか「ドクター」と呼ぶこともある。
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医師の起源
日本においては薬師(くすし)と呼ばれた和漢薬の専門家が医師の起源となる。当時の薬学である本草学に基づき生薬を用いて診療を行った。日本の漢方医学は中国の漢方医学とは16世紀頃分かれて独自の道を歩いている。
明治維新後は西洋医学に取って代わられたが、中国や韓国ではそれぞれ中医、韓医師という医師とは別の資格が残っている。
日本の医師
医業 (職業としての医療行為) を行うことは「医師」のみに認められている(医師法)。また、保健所の所長、病院および診療所の管理者(院長)も「医師」でなくてはならないと定められている(医療法)。
「医師」は国家資格であり、「医師国家試験」に合格して医籍登録を完了したものに厚生労働大臣より免許が与えられる。医師国家試験の受験資格は (1) 6年制の大学医学部医学科を修了したもの (2) 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの(3) 外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)又は(2)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの (4)沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令(昭和47年政令第108号)第17条第1項の規定により医師法の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定したもの
2004年度からは、医師として勤務するためには2年間の臨床研修を行うことが義務づけられた。
2004年5月現在、医師免許に更新期限はなく、医療過誤、犯罪等による資格停止・剥奪は医道審議会により決定され、通常は生涯にわたって有効である。また「医師」は法律上すべての診療科における診療行為を行うことができる。
医師免許は診療科ごとに交付されるものではないため、各診療分野の学会が学会認定医、学会専門医などの学会認定専門医制度を導入している。 これらは法的な拘束力を持つ資格ではないため所持していなくても診療科を標榜することは可能。 (但し、麻酔科を標榜するには厚生労働省の許可を得なければならない。)
また、「医師」には一人医療法人という制度があって、「医師」一人でも医療法人が設立できる。
世界の医師制度
米国の医師制度
米国では全州共通の医師免許はなく、全ての医療関連免許はそれぞれの州ごとに与えられている。また日本のように医師であれば事実上すべての診療科を行うことができるというものではなく、各診療科ごとの専門医資格を必要としている。また手術手技や診療に関しても段階が存在し、高度な医療を行うにあたってもまた別にその専門医資格を必要としている。
米国の医師免許の取得は、かなりの段階が存在している。まず一般の理科系大学卒業の後、「メディカルスクール」と呼ばれる医学専門学校に進学する。そこで4年間医学を専門的に勉強し、終了するとまず1回目の「医師国家試験」を受験する。この試験に合格すると「医師」として基本的な処置や診療のみが許可され、合格した後に臨床研修が行われる。臨床研修では進路が決まっていない場合と決まっている場合とに別れ、決まっていない場合はすべての診療科を1年ほど一通り研修し、決まっている場合はそれぞれの診療科で研修し、各科それぞれ3~6年の研修が行われる。この臨床研修の後に2回目の「医師国家試験」である診療科専門医試験を受験。これに合格して初めて「一般内科医」「一般外科医」等の称号が与えられて医師としての一般的な活動が許される。さらにこの後は「フェローシップ」と呼ばれる専門医研修があり、各科3~10年の研修の後最後の医師国家試験である専門医試験を受験し、これに合格して「循環器内科専門医」等という称号が与えられ高度な医療行為を行うことができる。
また、日本と異なり医師免許は終身資格ではなく1年毎の更新制である。専門医資格もたいてい約10年程度毎の更新制となっており、それぞれの州ごとに制度は異なるが医師免許資格、専門医資格どちらとも更新が義務付けられている。また免許更新の際には試験やセミナー等が課せられている。
英国の医師制度
英国でも、日本のように「医師」であれば事実上すべての診療科を行うことができるということはなく、各診療科ごとに専門医資格が必要とされている。また「家庭医(一般医療)」と「病院医(専門医療)」とが厳格に区別され、それぞれ専門領域として独立している。
英国では、医師の国家試験は存在せず、歴史ある国家として大学の権威が大きく認められているため、各大学の「卒業試験」に合格し卒業することで「医師免許」が与えられる。また英国には私立の医学部は存在せず、すべて国立である。また医学部では留年は認められていないために中退者も少なくない。
日本と同様に、高校卒業後に大学医学部に入学できるが、医学部入学には「統一試験」なるものが存在し、面接、筆記、書類審査とが厳重に行われた後に医学部入学の許可が与えられる。医学部は約5年制で、各大学ごとに様々なカリキュラムが組まれている。卒業後は1年間の臨床研修が義務付けられ、その後に専門とする診療科を選択する。ここで大きく「家庭医(一般医療)」と「病院医(専門医療)」とに進路は選択され、それぞれ研修が行われる。そして研修終了の後にそれぞれ一般認定医、専門認定医の試験があり、合格して初めて「医師」としての独立した診療行為が許されている。
ドイツの医師制度
ドイツでも、日本のように「医師」であれば事実上すべての診療科を行うことができるということはなく、各診療科ごとに専門医資格が必要とされている。
ドイツの医師国家試験は4段階の試験が存在する。まず日本と同様に高校卒業後に大学医学部に進学でき、そこで約6年間の医学教育を受けるが、医学部での勉強と医師国家試験は平行して行われ、医師免許取得には医学部で医学教育を受ける必要があるが、卒業する必要はない。
まず医学部在学2年目で「医師前期試験」と呼ばれる試験がある。それに合格するとまた1年後に「医師国家試験第一部」と呼ばれる試験がある。これに合格し約2年後に「医師国家試験第二部」と呼ばれる試験がある。これに合格すると最終学年は1年間の病院での臨床研修が行われ、最後に「医師国家試験第三部」と呼ばれる試験があり、これに合格して初めて「医師仮免許(AIP)」が与えられる。またこの間大学医学部での医学の勉強は同時並行となり、ドイツの医学生はまた別に大学での単位の取得と卒業論文の製作が必要とされている。そして「医師仮免許(AIP)」が与えられた後は1年半の臨床研修が義務付けられ、選択する診療科で専門の研修を行い、研修終了の後に晴れて「医師免許」が交付される。そしてこの「医師免許」と「卒論」の二つが揃って初めて大学では卒業が認められ学位が授与される。このため卒業しない者も少なくない。
また医師免許があったとしても医師としての活動が許されているわけではなく、歴史ある医学大国として各医師会、学会の権威が大きく、また何年かの臨床研修を受け各医師会、学会の専門医試験に合格しないと診療科を標榜することが許されない。また専門医資格の中に「一般医学(家庭医)」という専門資格も存在し、一般開業医はこの専門医資格が必要とされている。
また1999年から医師の定年制が施行され、65歳になると保険医療を行うことはできなくなった。またそれによって定年後の医師の生活を支える目的で「医師老齢年金制度」という社会保障制度が存在する。
著名な医師
医師に関わる問題
- ドクターハラスメント
- パートタイム当直医
