ポリ塩化ビニル
Keywords: ポリ塩化ビニル, 1950年, 1970年, 1990年, 2000年, エチレン, ダイオキシン, ナフサ, モノマー, リサイクル
ポリ塩化ビニル (Polyvinyl Chloride 、PVC) または 塩化ビニル樹脂 は、一般的な合成樹脂(プラスチック、Plastic)の一つで、塩化ビニル単量体を重合したものである。重合させただけの樹脂は、硬くて脆く、紫外線などにあたると成分の塩素がはずれて劣化黄変しやすい。利用のためには柔らかくする成分(可塑剤)と、劣化を防ぐ安定剤を加える。一般には 塩化ビニール、塩ビ などの名前で呼ばれる。熱を加えると軟化する。
塩素とエチレンとを合成し、その熱分解によって生じる塩化ビニル単量体 (CH2=CHCl) を付加重合させたもので、塩化ビニル単量体は、原料として食塩 (NaCl) とナフサを用い、また、1,2-ジクロロエタンの熱分解によっても得られる。
- エチレン脱塩素法(Ethylene dichloride 、EDC)、オキシ塩素化法(Oxychlorination )
硬質にも軟質にもなるため、用途は衣料、インテリア(クッション材、断熱・防音材として)、ロープ、電線被覆(絶縁材)、防虫網、包装材料(レジ袋など)、レコード盤、水道パイプなど多数。
日本での利用
日本では、1950年ごろから実用が始まったが、1970年頃にエアロゾルの噴霧助剤として使われていたモノマーが、人体に害を及ぼすことがわかり使用禁止となった。
1990年代には、ダイオキシン類の主要発生源と考えられ、社会問題として浮上し、不買運動にもつながった。ダイオキシンは、廃棄されたポリ塩化ビニルを焼却処分する際に不完全燃焼になると発生するもの。対処法として、ごみの分別、リサイクル制度の拡充、焼却方法の改善、使用量削減などが提案されている。また、業界団体からは、焼却炉からのダイオキシンの発生はポリ塩化ビニルではなく食塩によるものとする研究も出されている。
これに関連して、文部省は学校の焼却炉を廃止するように通達を出した。
また、近年、いわゆる環境ホルモンへの関心が高まる中で、ポリ塩化ビニルを加工する際に用いられる可塑剤、フタル酸エステルが人体に与える影響も取り沙汰されるようになった。
玩具にも、柔らかく変形する人形はソフビ(ソフトビニル)人形と呼ばれ、怪我などに対する安全上の配慮からも多く用いられて来たが、現在では使用が制限され、代替材料としてエラストマー樹脂が用いられるようになった。
また、弁当などの食品製造時に用いられている手袋も、同様の理由から問題となった。
2000年6月、厚生省は食品製造時の塩ビ製手袋の使用をとりやめるように通達を出した。
参考資料
- 反農薬東京グループ(1997年)ダイオキシン問題-「食塩と塩化水素の関係をどうみるべきか
- 産業新聞社(公開日不記載)多彩な技術に期待― 動き出した塩ビリサイクル<上>
- あいちゴミ仲間ネットワーク会議(1999年)『環境とダイオキシン』 - どうすりゃいいの?塩ビ製品(1998年11月 消費者大会環境分科会報告資料)
