ポリアミド系樹脂

Keywords: ポリアミド系樹脂, Ε-カプロラクタム, アジピン酸, アミド結合, イソフタル酸, ウォーレス・カロザース, ケブラー, テレフタル酸, ナイロン, ヘキサメチレンジアミン

ポリアミド系樹脂ぽりあみどけいじゅし)とは、アミド結合によって多数のモノマーが結合してできたポリマーである。一般に脂肪族骨格を含むポリアミドをナイロンNyron)と総称し、これは初めて合成されたポリアミドであるナイロン-66のデュポン社の商標に由来する。また、芳香族骨格のみで構成されるポリアミドはアラミド樹脂と総称される。

目次

名称

ナイロンはωアミノ酸の重縮合反応で合成される「n-ナイロン」と、ジアミンとジカルボン酸の共縮重合反応で合成される「n,m-ナイロン」とがある。いずれも名称中のnまたはm部分の数字はモノマー成分の炭素数に由来する指数である。例を次に示す。

一方、アラミドはジアミンとジカルボン酸の共重合反応で合成されるが、組織的な命名法ではなく商標で呼ばれることが多い。

[[p-フェニレンジアミン]] + テレフタル酸
[[m-フェニレンジアミン]] + イソフタル酸

ナイロン

一般によく用いられるポリアミド系樹脂としては脂肪族のナイロン類が有名である。ナイロン類の特徴を次に示す。

  1. アミド基を有する為に吸水性が高い。
  2. 結晶性が高い樹脂で、耐薬品性に優れる。
  3. アミド基の水素結合により、優れた強靭性、耐衝撃性、柔軟性を示す。
  4. モノマーを変更することで、ポリマーアロイ化や共重合による改質が容易で、ガラス繊維など複合材との親和性も高くエンジニアリングプラスチックとして扱いやすい。

ナイロン6

ナイロン6はカプロラクタムを開環重縮合したポリアミドで略号はPA6である。融点225℃、ガラス遷移点48℃、比重1.14である。

ナイロン11

ナイロン11はウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミドで略号はPA11である。融点187℃、ガラス遷移点37℃、比重1.04である。ナイロン6及び66に比べて融点(187℃)、吸水性が低く、耐寒衝撃性に優れている。

ナイロン12

ナイロン12はラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミドで略号はPA12である。融点176℃、ガラス遷移点50℃、比重1.02である。ナイロン6及び66に比べて融点、吸水性が低く、耐寒衝撃性に優れている。ポリアミドの中では最も低密度である。

ナイロン66

ナイロン66は、米デュポン社のウォーレス・カロザースが発明した完全人工合成による合成繊維であり、略称はPA66である。融点265℃、ガラス遷移点50℃、比重1.14である。それまでの合成繊維は天然繊維の化学変換により可溶化し繊維として再生したものと一線を画する。当初はNylon®の商標で販売されたが、Nyronの用語は一般に脂肪族骨格を含むポリアミドをナイロンと総称するようになり、今日では、他のナイロン類と区別する場合はナイロン66と呼ばれる。

「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」という米デュポン社のキャッチフレーズが示すように、吸湿性や強度なと繊維としての特性はポリエステル繊維より優れ、点線繊維と比べても遜色はないので、今日においても衣料用繊維として広く使用されている。

記事ナイロンに詳しい。

アラミド

芳香族ポリアミド系樹脂(アラミド樹脂とも呼ばれる)の代表としてはケブラーがあり、高耐熱性・高強度のエンジニアリングプラスチックである。この特性は芳香族ポリアミドが分子として直鎖状の構造を持っていることに起因する。

ケブラー

ケブラー®Kevlar®)はpoly-p-phenyleneterephthalamideとも呼ばれるp-フェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドから共縮重合して得られるアラミド樹脂である。ちなみにKevlar®はデュポン社の商標である。デュポン社は硫酸に溶かして紡錘する技術を開発して高重合度繊維の製品化を可能にした(1974年)。鋼鉄の5倍の引っ張り強度や耐熱・耐摩擦性が高く、切創や衝撃にも強いことから、もっぱらエンジニアリングプラスチックとしてスチールワイヤー、ガラス繊維、アスベストなどに置き換えられて利用される。次にケブラー®の主な用途を示す。

記事ケブラーにも詳しい。

ノメックス

ノメックス®Nomex®)はpoly-m-phenyleneisophthalamideとも呼ばれるp-フェニレンジアミンとイソフタル酸クロリドから共縮重合して得られるアラミド樹脂である。ちなみにノメックス®はデュポン社の商標であり、コーネックスの商標®でも他社より製造販売されている。耐熱性繊維としてデュポン社が開発し、宇宙服等に応用された。その後、バインダーに顔料を加えるピグメント染色が可能である為に日用品の用途が広がり、その防炎性を生かしてカーテン、作業着、カーペットなどにも利用もされている。

関連項目

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