ブラン

Keywords: ブラン, An-225 (輸送機), アメリカ合衆国, エネルギア, オーストラリア, オービタ, スペースシャトル, ソビエト連邦, ペイロード, ユーリ・ガガーリン

right|thumb|250px|エネルギアロケットと合体した状態のブラン ブラン (Бура́н) は、ソビエト連邦が開発した宇宙船(宇宙往還機)である。ブランとは「吹雪」を意味する。

「ソ連版スペースシャトル」と言われることが多いブランだが、この言葉は必ずしも正確ではない。確かに初飛行はアメリカ合衆国のスペースシャトルより大分遅れたが、ソ連はそれ以前から米スペースシャトルのような形をした、有翼往還宇宙船の構想を持っていた。この構想の宇宙船模型と、ソ連宇宙飛行士第一期生だったユーリ・ガガーリンらが一緒に写っている写真があるぐらいであるから、初飛行の40年近く前から考えられていた宇宙船であると言える。その模型の形は、米スペースシャトル、ブランの両方に大変良く似ている。ブラン初飛行時に、「アメリカのもののコピーだ」という批判に対する「理想的な形を追い求めた結果である」という反論は真実かもしれない。

米スペースシャトルとブランはその打ち上げシステムからして全く違うため、形が似通っているからと単純にその性能を比較することは出来ない。米スペースシャトルは、飛行機型宇宙船「オービタ」(スペースシャトルはオービタ、ブースタ、燃料タンクの全体を指す)に直接ロケットエンジンがついており、そのエンジンの燃料をオービターが腹に抱いている茶色の外部タンクから供給し、燃焼させている。3基あるそれらのエンジンでは離陸時にパワー不足なので、2本の固体ロケットブースタを外部タンクの両脇に装備させ、100トン以上あるオービタを地球軌道まで放り上げている。

それに対してブランは、離陸時に自力では何もしない。大型ロケット「エネルギア」に軌道まで運んでもらい、その間はただぶら下がっているだけである。このシステムでは、オービタにエンジンを装備しなくていいのでオービタの自量が軽くなり、積載量が多くなるほか、身軽なので着陸時の速度を下げることが出来、安全である。

ブランはソ連スペーシャトル計画の実用1号機だが、2号機「ピチカ(小鳥)」も建造中だった。その他に地上テスト機など、いくつものブラン型のモデルが製造された。予定では1992年に有人飛行を行うはずであったが、ソ連邦の崩壊と共にこの計画は消滅してしまい、無人で地球軌道を周回し、自動着陸を成功させた1号機ブランはロシアの公園のオブジェとなって雨風にさらされてしまっている。いくつも作られた実験モデルや試験機の内の一つは、オーストラリアの博物館に引き取られ、保管・展示がされている。

なおブランには、An-225ムリヤという、アントノフ航空設計・製造の世界最大の航空機が、専用機として輸送の任にあたっていた。こちらは現役で活躍中である。

また、一時は放置状態だったAn-225が現役復帰する際にブランを商用衛星打ち上げ用として復帰させる計画もあった。 実際には実現しなかったが、ロシア政府はプロトンロケットの限界を超える要求が今後増加した場合に備えて、本気でブランを現役に復帰させる計画を持っているといわれており、計画も「現時点で凍結」に改められている。

外部リンク


ハザール王のブランはブラン (ハザール王)参照。

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