スキミング
Keywords: スキミング, 1960年代, 1980年代, 1990年代, 1月19日, 2003年, 2005年, ICカード, キャッシュカード, クレジットカード
スキミングは、近年のカード犯罪で多く使われる手口の一つで、磁気カードに書き込まれている情報を抜き出し、まったく同じ情報を持つカードを複製する犯罪である。
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概要
この犯罪行為の手法としては、そのカードの磁気に記録されている各種データ(会員番号や口座番号など)を、カード情報を読み取る機能を持ったスキマー(スキミングマシンとも言う)という装置を組み合わせて盗み取る。
通常の場合において、クレジットカードや、銀行などの金融機関で利用されるキャッシュカードを、正式な所有者が使用した際には、カードに組み込まれた磁気テープに記載された情報を、機械的に読み取って信販会社や金融機関のコンピュータに通信して照会、その結果として所有者は、求める商品やサービスを購入したり、現金を引き下ろしたりできる。
実際のスキミングにおいては、商店・ホテル・レストラン等のサービス業店頭に設置された読み取り装置内に、読み取られたカードの情報を記録、または送信・中継する部品が不正に組み込まれていたり、若しくはカードを一時的に盗んで、スキマーを利用して情報を読み取るといった手口が知られている。また中には、警官や信販会社のサービスマンを装って、カードをチェックするふりをして、正当な所有者の目前でスキミングマシンに堂々と通して情報を盗むという事例も報告されている。
こうして読み読み取られた情報は、情報の入っていない磁気カードに書き込まれる訳だが、中には精巧に偽造したクレジットまたはキャッシュカードを作成・利用する事例も見られる。これらは犯人グループによって、金融機関のキャッシュディスペンサーや現金預け払い機から現金を引き出すのに用いられたり、あるいはクレジットカードの場合はそれで物品などを購入する事に使用され、商品を騙し取るために利用される。
特にカードが手元に残るため、カード盗難のようにすぐ所有者が一刻を争ってカード停止する事が無いため、月末などに使用明細が届くまで気付かれ難い等の問題点がある。
特に、ここ数年はデビットカードというキャッシュカードを使った支払いができる店舗が増加し、またコンビニエンスストアなどでもATM(コンビニATM)などが次々と開設され、これら店舗にて設置・管理されているカード読み取り端末に、スキマーが仕掛けやすいことなどから、キャッシュカードが狙われる事例が多くなっている。
歴史と対策
この犯罪行為は、プラスチック製の磁気カードにより、様々なサービスが提供され始めた1960年代後半より発生の可能性が指摘されてきた。ただ当初は、大規模な施設がないと複製が困難である事から、これら犯罪は大規模な組織による物とされてきたが、1980年代に入ると急速に電子技術が発達、末端の機械マニア程度でも簡単に複製カードを製作できるようになってしまった。特に当初の磁気カードには、暗証番号データも書き込まれていたため、カード情報を読み取って解析する(一時期には使い捨てカイロに入っていた鉄粉と肉眼で書き込まれた情報を読み出す事も可能だったという)事で、銀行口座から預金が盗まれる被害が続発した。
しかしこうしたカード窃盗被害が増えてくると、カード供給側も対策として、暗証番号データをその都度サーバー側に暗号通信で照会する方式に改め、またカード盗難の届け出からカード停止を迅速に行うため、24時間活動するカード専用電話窓口を設けるなどして対応し、カード窃盗は次第に減っていった。
だがスキマー等の装置が、技術的な進歩によって小型・高性能化が進んでしまい、また磁気カードへの書き込み装置に関しても大量に闇で出回るようになり、スキマーにデータを大量に保持する機能が搭載されてきたため、近年のスキミング犯罪では一度に大量の被害者を出すケースが増えている。特に大規模なスキミング窃盗団も度々捕まっており、国際的な問題にも成っている。
この対策に銀行によっては、1日の引き出し限度額を利用者各人が上限設定できたり、また偽造が比較的難しいとされるICカードに切り替えるなどの対抗策をとっている傾向にある他、比較的他人に知られてしまいやすい暗証番号による本人確認手段を廃し、生体認証による「簡単に盗まれない本人確認手段」を導入する所も出てきている。
またATMやキャッシュディスペンサー等の、直接的に金銭を扱う装置では、カメラなどの撮影装置を組み込みで設置し、機器利用者の写真や映像を常に撮影し続ける事で、カード窃盗やスキミングによる被害が報告された際には、問題のカード利用者の容姿を警察側に証拠提出できるようになっている。これは銀行外に設置されたこれら機器でも同様である。
近年の事件
- 1990年代より、東南アジア方面での旅行者を中心に、身に覚えの無いクレジット利用の請求が届く事件が多数届け出られた。調査の結果、飲食店や土産物屋などでクレジットカードを利用した際、店のレジに設置されたクレジットカード読み取り機にスキマーが組み込まれており、これによって偽造カードを作られていた事が判明した。この背後には同地域に大規模な偽造カード集団が有ると見られており、近年では欧州等の旅行者の中にもスキミングされ、東南アジア方面で偽造カードを不正利用されるケースもあり、関係各国では観光産業に打撃を与えるこれら犯罪に、大規模な捜査を行い末端組織を摘発しているが、根本的な解決には到っていない模様である。
- 2003年頃から、都心を中心にスキミングによって作られたカードを使用して銀行口座から金銭を騙し取る行為が続発、警視庁と神奈川・千葉・埼玉・静岡の各県警が協力して捜査の結果、ゴルフ場のロッカーを中心にロッカー荒らし(ただし通報を遅らせるため、中の金銭・貴重品には手を付けない)とスキミングを繰り返していた集団を2005年1月19日に一斉捜査に踏み切った。同集団らは、ロッカーに盗撮カメラを設置、ロッカーを利用者が使用する所を撮影し、この操作を元にキャッシュカードの番号を推察してスキミングで作成したカードを悪用したと見られている。特に被害者が裕福である場合が多かったため、被害規模は数億円に及ぶと見られている。
