アヴェロンの野生児

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アヴェロンの野生児(~のやせいじ)とは、1797年に南フランスのアヴェロンで民家のごみを漁っているところを発見され、捕獲された少年。

当初11~12歳と推定された。パリに移送され、当時の多くの専門家が、この子は知的障害で捨てられた子どもであり、治療、改善の余地なしとしたものを、軍医だったジャン・イタールが引き取り、ヴィクトールと名づけて5年間にわたる教育を施した。その結果、多少のアルファベットを認知し、簡単な言葉を読み書きできるようになり、感情や愛情の表現も理解できるようになった。しかし、、雷雨などの自然の驚異に対する恐怖感だけは、拭い去ることができなかった。

ただ、5年の養育期間の後、イタールは軍を退役になったため、ヴィクトールと直接彼の養育に当たった読み書きのできない乳母を残して、立ち去った。彼は、実験材料としてのヴィクトールにしか関心がなかったようである。そのためこの教育的な試みは「禁じられた実験」と呼ばれることもある。

以前は、ヴィクトールに対する教育の効果があまりなかったのは、乳幼児期に教育を受けなかったことが原因だと考えられていたが、ヴィクトールは自閉症だったために教育効果が少なかったとする説もある。耳元で大砲を鳴らしてもほとんど動揺しない割りに、枯葉の音には敏感に反応するなど、音に対する認知の異常が自閉症児と共通している。

そのため、野生児が健常児であれば、成長してから教育を行なってもある程度は一般人に近いレベルまで到達できるとも考えられる。

フランスの映画監督のフランソワ・トリュフォーが、『野生の少年』というタイトルで、ヴィクトールとイタールの物語を白黒映画として映画化した。彼自身、親から見捨てられ、親の希望で少年鑑別所にいれられていたことがある。趣味の映画を通じて知り合ったアンドレ・バザンが、身元引受人になってくれ、彼が社会に出て行くのを援助し、映画界での仕事を世話してくれた。トリュフォーは、感謝の念から、この映画の監督と合わせて、自らイタールの役を演じている。

参考文献

Keywords: アヴェロンの野生児, 1797年, アヴェロン, パリ, フランソワ・トリュフォー, 少年鑑別所, 知的障害, 自閉症, 雷, ロジャー・シャタック