いすゞ・ピアッツァ

Keywords: いすゞ・ピアッツァ, 1979年, 1981年, 1983年, 1985年, 1987年, 1990年, 1991年, 1993年, 4XE1

ピアッツァ (PIAZZA) は、1981年よりいすゞ自動車より発売されたクーペ型の乗用車

車名の由来はイタリア語で「広場」で、80年代の車社会において広場のような価値観の車であることを願って命名されている。117クーペの後継車と位置づけられ、初代のデザインはやはりジウジアーロが担当した。いすゞのフラッグシップを務めたが、歴代モデルともシャーシジェミニと共有する。なお、歴代のいすゞ製乗用車のなかで本車のみ、ディーゼルエンジン搭載モデルが存在しない。

目次

初代

歴史

形式名JR120(ターボ車)、JR130(通常車)。1981年4月登場。1979年3月のジュネーブショーにジウジアーロ が出品したデザインカー「アッソ・デ・フィオーリ」(クラブのエース)を初代ジェミニのシャーシを用いてそのまま商品化。通常ショーカーを量産化する際は生産効率を上げるため何らかの手を加えるのが常識であり、このいすゞの冒険的試みは世界中から驚きを持って受け止められる。ただし、当時の道路交通法との兼ね合いでフェンダーミラーでデビューせざるを得ず、ジウジアーロは時代遅れの考えと運輸省批判を繰り返し、最終的には特別認可であったが、我国におけるドアミラー装着第1号となる。エッジの効いたボンネットと3ドアハッチバックの独特な形状のクーペで、大人4人が乗っても余裕の驚異的な居住性の高さを誇る。だが、未来感覚にあふれ20年先でもなお新鮮との賛辞を得る一方、ライトバンのような車形から「走るマヨネーズ」と酷評する声もあり、そのデザインは賛否両論に分かれる。また、サテライト式コクピットは極めて斬新なものだが、慣れないと操作しづらい欠点も有する。

しかし、スポーツカーに位置づけられながらシャーシを、すでに商品としての寿命が尽きつつあった初代ジェミニと共有したことがこの車にとって不幸の始まりで、以後の初代ピアッツァの歴史は、斬新なフォルムとは裏腹の脆弱な足腰との戦いの歴史となる。機関系ではDOHC車の評判が悪かったことから1983年アスカが登場するや、アスカ用エンジンにインタークーラーを装着したターボモデルを投入。すると今度は時代遅れのシャーシが問題となり、いすゞでは手に負えなくなったことからチューニングをヨーロッパに依頼、1985年にイルムシャー、1987年には「ハンドリングバイロータス」仕様が追加される。だが、こうした小手先の改良も行き詰まりを見せ1990年2月に生産終了。総生産台数113.419台(いすゞHPより)。

機構

駆動方式はFR。デビュー時のエンジンは117クーペ用の2000ccDOHCSOHCを転用したが、最高出力135PSでは不足がちで、1984年6月よりアスカ用エンジンをベースとした2000cc電子制御式SOHCに変更(DOHCは廃止)、ターボ付モデルは出力180PSを記録した。変速機構は5MTと4ATサスペンションは前輪がダブルウィッシュボーン、後輪が3リンク式コイルスプリングで、ステアリングこそ反応性の高いパワーステアリング付ラックアンドピニオン式であったが、基本設計が1970年代の古いシャーシから来る運動性能の低さは常に弱点として付いて回った。

スペック (最終仕様)

2代目

歴史

形式名JT221。ジェミニの3代目移行により1991年9月にようやくピアッツァも2代目に移行する。デザインは中村史郎氏が担当し、前後のエアダムスポイラーとセミリトラクタブル・ヘッドライトが外観における特徴だが、良しにつけ悪しにつけカリスマ性のあった先代と異なり、どこにでもありそうな2ドアクーペとなったことから、3代目ジェミニの(突然変異的)変形車と受け止められ市場では不評に終わる。1993年3月のいすゞの乗用車自主生産撤退により、本車がいすゞが開発した最後の乗用車と言うこととなった。総生産台数はいすゞからは公表されていないが、判明する限りのデータを集計すると、わずか9.613台にとどまる。

機構

駆動方式はFF。エンジンは1800ccDOHCの4XF1型で、これはジェミニやロータスエランに搭載された4XE1型をストロークアップしたものである。変速機構は5MTと4ATサスペンションは3代目ジェミニ同様、ストラット式をベースに後輪には4WSの一種であるニシボリックサスペションを装備する。また、2代目ピアッツァについては開発過程でロータスが監修しており、生産車すべてが「ハンドリングバイロータス」仕様である。

スペック

ピアッツァ・ネロ(PA・ネロ)

ヤナセGMの代理店である関係から、いすゞ系ディーラーとは別チャンネルで対米輸出モデルを国内販売したもの。ネロとはイタリア語の「黒」で、高級・スポーティーなイメージを表現する。内外装をその名の通りのブラックやピンストライプなど、いすゞ純正車にはみられないものを用意し差別化が図られている。さらに初代はピアッツァの特徴であるセミリトラクタブル・ヘッドライトを廃し固定ランプであったのが特徴。初代、2代目合計で11.656台が販売された。

なお、ヤナセから販売されたモデルとしては、他に3代目ジェミニのアメリカ名GEOストームのクーペ版をセミリトラクタブルヘッドランプにしたPA NERO(PAネロ)が存在するが、これは2代目ピアッツァのアイデンティティである4XF1型エンジンを搭載していないので、正確にばピアッツァとは関係のないモデルである。(→PAネロ項目へ)

外部リンク

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